コモエスタス、トドビエン！

プエルトリコに来てようやく一か月が過ぎ、3選手とここまで長く一緒に行動をすると、僕の口癖なんかをみんなが分かるようになってきます。
僕がよく使うフレーズとして、「世界一の～」や「鬼のように～」がありますが、みんな内心「クラノさんのマイブームなんやろな」と思い、ニコニコしてきます（笑）。
いいんです！これが僕が思う、一番ピンと来る！伝わる！表現方法なのですから（笑）。

ついでなんでこれまでこちらで出会った「世界一の～」を紹介しておきますね（笑）。

まずは、「世界一打球が転がらない球場」。これは僕たちのホーム球場の芝生で、僕たちが全力で投げて転がしても簡単に止まってしまいます・・・

次に、「世界一寒いロッカー」。カロリナの球場（ビジター）のロッカールームですが、冷蔵庫の中ですか？というぐらいです。

そして、「世界一うまいチキンの店」。僕たちのドライバーさんがそう豪語して連れていってくれましたが、「ケイジ」は「世界で50番目ですね」と言ってました（笑）。
と、その店の中で飛び回っていた、「世界一飛行距離の長いゴキブリ」。最初は「蛾」と見間違えるほど、こんなに飛びまくるゴキブリを初めて見たのと同時に、食欲を一気に失くしました・・・

最後に、「世界一寒いモール」。カリブ海最大のショッピングモールですが、僕は半袖では歩けません。

どうですか？僕たちのいる環境がよく伝わるでしょう？（笑）。
さてさて、そろそろ本題の選手たちの様子について話していきましょう。

前回、新たな武器を手にしたと話した、「ケイジ」は新たな「難敵」の登場に手を焼いています。
それは「ストライクゾーン」です。外のストライクゾーンが日本に比べて広いといわれる海外の野球。
頭では分かっていながらも、これまで染みついた感覚、体が反応するのがなかなか難しいのが現実で、ピッチャーの手から球が離れて「0コンマ何秒」という1秒かからない世界で勝負する打者には、長年染みついた感覚を修正するのは簡単ではないはずです。
ここ最近は、相手投手との戦い、ストライクゾーンとの戦いで思うように打てない日々が続いています。
しかし、これを克服できたらよりレベルアップできるのではないでしょうか。この環境での順応に今後の期待が持てます！

そしてここで「新・雨男」となってしまい、なかなか登板機会がなく、落ち着かない日々を過ごしていた「ニホ」ですが、ようやく2度目の登板が中15日の先発という長い間隔になって訪れました。
前回の登板で全く良いところなく自分の力を出せずKOされていたので、不安感もあったでしょうが、それを強い気持ちに変え、力投しました。
初回はほぼ完璧な立ち上がりでしたが、2回につかまり3失点し前回の降板が頭をよぎりましたが、そこは今年のウエスタンリーグNo.1投手、それ以降完全に立ち直り5回までの3イニングを1安打に抑える好投で、先発の役割を果たし、チームの勝利に結びつけることができたのです。
ここまで4日間連続スライド先発という前代未聞の経験、思うようにいかないつらい日々、「見えない敵」に、正直かなり苦しんでいたようでしたが、彼は自身の一番の成長部分である「粘り強さ」をここで発揮し、こうやって好投できたことで、また今後に大きな財産となったことでしょう。

もう一人「KAMAYA」じゃなく「カヤマ」ですが（笑）、僕が球場にあった軽食の缶詰（ツナのようなもの）を美味しいと言って食べていたところに、試食した彼が一言。
「ネコのエサの缶詰めですね」と言い放ち、僕の食欲をなくさせるなど、不思議系の発言が目立つ彼ですが、野球の方はここまで何とか順調です（笑）。
3度目の先発も課題は残ったものの、6回3失点8奪三振と好投。
これで3試合続けて6イニングを投げ先発としての役割を充分に果たす活躍です。
しかし、確実に成長している部分はある一方で、一番の課題部分はまだ残されたままです。まだまだ今後の飛躍のための「敵」は多いのです。

これからみんなと共にこの「難敵」に全力で立ち向かい、克服できるよう、残り1か月充実したものにしていきます！

ちなみに僕の今の「敵」は、減らない体重です。毎日走っているのに正直1キロも痩せてません・・・目の前にいつもチキン、ビール、カクテルがある環境では自らの自制心が必要で、僕にとっては厳しい環境なのです（笑）。
「この環境で痩せる人の気が知れんっ！（笑）」と心の中でいつも叫んでいる僕は、当初の目標であった「細マッチョ」は早くも断念し、「プロレスラーのような体」に方向転換したのでした・・・（笑）。

つづく