コモエスタス、トドビエン！

オールスター戦が終わると、残り約2週間の試合の日々。あっという間のラストスパートです。

そして・・・長かったような、短かったような。ついにこの日がやってきました。
この約2ヶ月間にも及ぶ武者修行も無事に終えることができたのです。
今年も最後まで色んなことがありましたねぇ・・・（笑）

この「カリブ海便り」も僕のモチベーションが上下しながら何とか無事に最終章まで到達することができました（笑）。
最終話となる今回はこの武者修行の主役達、それぞれの成果についてお話したいと思います。
最終話は「長くなるぜぇ～」（笑）。

『ケイジ』は、オールスター戦に出場した後の試合でも、4試合連続マルチヒットなどの大活躍で完全にチームの中心選手になりました。
そして完全に自分の「モノ」を掴んだと思った矢先に、最後の5試合はノーヒットに終わるということになり、バッティングの難しさも同時に痛感していました。
しかし、これまでに積み上げた経験、自信は結果以上の成果だったと思います。
プエルトリコに来た当初は、「打てなくて日本に帰される夢を見た！」と言っていた（笑）ケイジも、あれよあれよという間に、帰されるどころかチームに欠かせない中心選手の一人となりました。
3試合を除き、28試合全ての試合でスタメンフル出場し、本塁打、打点はチームトップという成績でした！
こちらでほぼ毎日の野球漬けの日々は、厳しかった部分もあったでしょうが、見事にやり抜き通し本当にタフになったと思います。

『カヤマ』は、残り2試合の先発では、良い悪いと両方の「カヤマ」が出てしまいましたが、最後まで先発の役割を十分に果たす活躍でした。
あまりにも厳しい僕の「鬼のような練習、指導（笑）」で、『昨日クラノさんに、今やっている練習ができて褒められた夢を見ました！』と、夢にまで出てくるようになってしまいましたが・・・（笑）。
振り返れば、砂浜での強化ランニングで、彼の人生では初の「ランニングで吐く」ことを経験しましたし、色んな「不思議系発言」で僕を困らせたり楽しませたりしてくれました（笑）。
最後の最後でも、飛行機の中でCAさんがドリンクの注文で回ってきた時に、『喉がすっごく乾いてたんですが、英語で話しかけられるのが怖くなって、寝たフリしてしまいました！』と、笑かしてくれました（笑）。

そんな彼もまた、こちらで大きく成長した一人です。
新たな武器として「チェンジアップ」をマスターし、完全に自信をつけました。
その「チェンジアップ」も色々と試行錯誤した結果、僕が教えた握り方が一番ハマり覚えることができたので、僕から『そのチェンジアップが良かった時は「クラノコーチ直伝」と言え！悪かった時は「自分で考えマスターした」ってことにしておけ！』と、しつこく言われ、ウザいと感じてたことでしょう（笑）。
冗談はさておき、彼のこちらでの成果は、成績は1勝という数字ながらほぼ全試合試合を作るという安定感抜群の投球で、チームにとって貴重な先発ローテの一人となり、、奪三振ではリーグトップを争うなど、成長を著しく感じました。

また途中帰国となった『ニホ』も残念ではありましたが、全てが噛み合わない厳しい状態ながら必死で頑張っている姿は素晴らしく、また新たに粘り強さという武器も手にすることができました。
こちらでの経験は日本では味わえないほどの貴重な経験となったことでしょう。
今後に必ず活きてくると思います。

この3人がいたからこそ、今年の武者修行もそれぞれが刺激し合い充実していたのだと思っています。
この主役3人の他にも、この武者修行に欠かせなかった方も最後にご紹介させていただきますね（笑）。

まずは、この約2ヶ月間僕たちの球場と宿舎の往復の運転をしてくださったドライバーの『ハイメ』です。
彼は、助手席で行き帰りの車中に必ず眠ってしまう僕に（赤ちゃん並みの睡眠といわれる（笑））、嫌な顔一つせず長時間のドライブも無事に運転してくれました（笑）。
また、彼を見て、奈良の「せんとくん」に似てるという話になり、その写真を見せたら爆笑して「あだ名」としても気に入ってくれ、自分の携帯電話に画像を取り込むほど惚れ込んでいました（笑）。
そんな彼もこの武者修行を支えてくれた一人です。

そして、過去の栄光を全く表に出そうとしない謙虚な、いやむしろそのオーラを全く感じさせない通訳の『モンさん』は、いつでも僕たちのコミュニケーションを助けてくれました。
移動の車の中でのいびきや鼻歌、球場での鳴らない「スー、スー」といった口笛などにも僕らは悩まされましたが・・・（笑）。
そんなモンさんもこの武者修行には欠かせない、重要人物の一人でした。

最後に3年続けてプエルトリコに来た僕ですが、今では顔見知りも多くなり、気軽に声を掛け合う仲間も多く、もはや第3？第4？の故郷になりつつあるのかもしれません。何たってもう、のべ6ヶ月も住んでいるのですから！（笑）。

そんな僕は、最後の最後で「こんなとこでオチ!?」ということをやらかしてしまいまして・・・
それは、宿舎地下の駐車場にレンタカーをバックで止めようとしたところ、上から出っ張っていた通気口のようなものに気付かず・・・「バキッッ!!」という音とともに後ろのガラスが粉々に派手に散ってしまいました・・・（笑）。って、笑いごとではないのですが（汗）。
でも心の中では「なんでこんなところに出っ張りがあるんやぁ～！ありえへんっ！」と、逆ギレして何とか平静を保とうとしていました（笑）。

そんなそんなバカな一面もある僕にも、こちらでいつもイメージする「夢」があります。
実際にカジノで負けた挙句に「宝くじに当たって歓喜して、これが絶対に夢でありませんように！」と、寝ている間に何度も見た夢は置いといて・・・（笑）。

プエルトリコで一緒に過ごした選手たちが、これがきっかけとなり一軍で活躍し、「ヒーローインタビューを受けている光景!!」です。
こんな嬉しいことはないですね。

最後になりましたが、今回もこの6人であったからこそ、2012年のプエルトリコ武者修行、一つの「物語」ができたのだと思います。
本当にみんな野球漬けの日々で頑張り、耐え抜き、喜び、そして経験し、成長しました。
必ず、近い将来に「夢」を叶えてくれることでしょう！

おわり。。

今年もご愛読してくださった皆様、お付き合い本当にありがとうございました（笑）。