スポンサー企業とは？ スポンサーになるメリットと福岡ソフトバンクホークスの事例紹介
企業活動が社会との関わりを深める現代において、“スポンサー企業”の役割はマーケティング戦略の核となりつつあります。
スポーツや文化活動への支援は、単なる資金提供ではなく、ブランドイメージを飛躍的に高め、顧客との強固な関係を築き、さらには従業員の士気を鼓舞するという効果も得られます。
本記事では、スポンサー企業が享受できる具体的なメリットを詳述するとともに、競合他社との差別化を実現するための戦略的アプローチ、事例を交えながらビジネスを次のステージへと導くためのスポンサーシップについて解説します。
>おすすめの関連記事はこちら
ホークスのスポンサーシップを活用した成功事例4選。野球チームの協賛によるオリジナリティのある施策とは
社内イベントの成功には企画が重要！ スポンサーシップの活用で特別な体験を実現
目次[非表示]
スポンサー企業とは
スポンサー企業とは、スポーツ・文化・芸術・教育などの分野に対して、資金や物品を提供し支援を行う企業のことです。その支援の見返りとして、商品とのコラボレーションやキャラクター・ロゴの使用などが可能となり、ブランド認知や企業イメージの向上、販売促進などが期待できます。
▼スポーツチームのスポンサー企業になった場合
特にプロスポーツチームや著名イベントのスポンサーは注目度が高く、広告媒体やユニフォームへのロゴ掲載を通じて、多くの人々にブランドを訴求できます。 その結果、チームやイベントへの熱狂と結びついたポジティブな印象を得やすくなる点が特徴です。
近年では、単なる資金提供にとどまらず、企業と団体が協働して社会課題の解決に取り組む「共創型スポンサーシップ」も拡大しています。 こうした取り組みは、CSR（企業の社会的責任）の推進や持続可能な社会づくりに貢献するだけでなく、企業価値の向上や長期的なファン形成にもつながっています。
スポンサー企業になる5つのメリット
スポンサー企業になることで、企業に多面的なメリットをもたらします。
①ブランド認知度・価値の向上
スポンサー企業になる1つ目のメリットが、“ブランド認知度・価値の向上”です。
イベント・展示会・講演会・地域プロジェクトなどでロゴや社名が掲出されることで、既存顧客だけでなく幅広い層へブランドが浸透します。また、メディア露出、デジタルサイネージ（※）、公式Webなど複数チャネルを通じた発信は、社会全体への認知拡大につながります。
さらに、協賛先が持つ「信頼」「社会貢献」「創造性」「地域活性」などのポジティブなイメージと企業ブランドが重なることで、好感度向上が期待できます。結果として、認知度の向上と企業価値の強化を同時に実現できる点が大きなメリットです。
※デジタルサイネージとは、液晶ディスプレイやLEDパネルなどの電子表示機器を使って、情報や広告を表示する電子看板のこと。
②顧客（取引先）との関係構築
2つ目のメリットは、既存顧客や潜在顧客との関係構築に活用できることです。
企業がスポンサー活動を通じて顧客と直接的な接点を持つことで、企業への信頼や親近感が生まれます。
例えば、スポンサーとなったイベントへの招待やセミナー参加、懇親会などを通じて、日常業務とは異なる場で顧客と交流する機会を創出できます。こうした非日常的な空間で共通の体験を共有することで、信頼関係やパートナーシップが自然に深まります。
③従業員満足度の向上
3つ目のメリットは、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上に寄与することです。
スポンサー活動を通じて、自社が社会や協賛先と積極的に関わる姿勢を示すことで、従業員に「誇り」や「共感」をもたらします。社内報や社内表彰、チーム参加型プロジェクトなどを通じて一体感が生まれ、働く意欲や企業への愛着が高まります。
スポンサー活動は社外への発信にとどまらず、社内文化の醸成や従業員満足度の向上にもつながる取り組みです。
④商品・サービスの販売促進
4つ目は、自社商品・サービスの販売促進につながることです。
スポンサー活動を通じて、自社ブランドと協賛先のイメージを掛け合わせたコラボ企画を展開でき、双方の顧客層に自然にアプローチできます。例えば、イベントやキャンペーンでのサンプリング配布、体験ブースの設置、限定コラボ商品の提供など、実際に“体験”できる施策は購買意欲を高める効果があります。
つまり、スポンサー活動は単なる広告ではなく、ブランド体験を通じて購買行動を生み出す有効な販促手段として機能します。
⑤社会的責任（CSR）への貢献
5つ目は、企業の社会的責任（CSR：Corporate Social Responsibility）を果たす取り組みになることです。
文化・教育・研究・地域振興・環境保全・防災活動など、協賛分野は多岐にわたります。こうした活動は、企業の社会貢献姿勢を示すだけでなく、地域とのつながりを強化し、ステークホルダーからの信頼を高めます。
社会的価値を生み出し、持続可能な社会づくりに寄与する取り組みとして、企業のブランドイメージ向上も期待できます。
スポンサー企業に必要な戦略
スポンサーシップを成功させるには、単に資金を提供するだけでなく、自社のブランド戦略と一貫したストーリーを持つ取り組みが不可欠です。市場には多くのスポンサー企業が存在するため、「なぜこの企業がこのブランド・チームを支援するのか」という必然性を示すことが差別化のカギになります。
戦略①競合他社との差別化
競合他社との差別化は、スポンサー活動を通じて自社の独自価値をどう体現するかにあります。単なるロゴ露出ではなく、企業理念や事業内容と結びついた“ストーリー”を持たせることで、共感や感動を生む企画を展開できます。
実際にホークスのスポンサー企業は自社の強みを生かした取り組みを行っています。
▼差別化の取り組み例
冷凍宅配の幼児食を販売する企業：施設内のキッズスペースで実際の幼児食を提供できる
寝具ブランドを展開する企業：選手ベンチに自社の特製シートを導入できる
ビジネスウェアを販売する企業：オフィシャルスーツの提供や公式レプリカスーツの販売
このように、自社の社会的メッセージとスポンサー活動を融合させることで、ファンや顧客とのエンゲージメントを深め、競合他社にはない“ブランドストーリー”を発信できます。結果として、共感を軸にしたロイヤル顧客の育成にもつながります。
戦略②従業員エンゲージメント向上で企業価値を高める
スポンサー活動を一時的な広告施策で終わらせず、継続的な企業価値の向上につなげるためには、従業員のエンゲージメント向上が重要です。
協賛先や活動の目的を社内で共有し、イベント参加や情報発信などを通じて従業員が主体的に関わることで、「自社の取り組みを誇れる文化」が醸成されます。その結果、一人ひとりがブランドの「アンバサダー」として社外にポジティブな発信を行い、企業の信頼性や採用力の向上、社内外の一体感強化につながります。
また、スポンサーシップを単なる広告ではなく、地域・社会との共創やESG経営（※）の一環として長期的に位置づけることで、企業は社会的評価と経済的価値の両立を実現できます。
※ESGとは、Environment（環境）、Social（社会）、Governance（企業統治）の略で、これらを重視した持続可能な投資・経営のあり方。
福岡ソフトバンクホークスのスポンサー企業事例
ホークスでは、多くの企業にスポンサーとしてご協賛いただいています。ここでは、スポンサー企業になる5つのメリットに関連した事例をご紹介します。
【ブランド認知度向上】株式会社やまやコミュニケーションズ
株式会社やまやコミュニケーションズは、明太子をはじめとした食品事業を展開しており、地域に根差した福岡ソフトバンクホークスとのスポンサーシップを通じて、ブランド認知度の向上を実現しています。
▼やまや めんたいこBOX
ネーミングライツ契約により、球場内に明太子の大型オブジェが印象的な『やまや めんたいこBOX』を設置しています。観客の目を引くだけでなく、テレビやSNSを通じて話題となり、「勝利」「情熱」「団結」といったチームのポジティブなイメージとブランドが重なり合うことで、より幅広い層への認知拡大と好感度向上につながっています。
【顧客との関係構築】大東建託株式会社
大東建託株式会社は、賃貸住宅の建設・管理を主軸とする企業であり、スポンサーシップを通じて、顧客との関係構築を深める取り組みを行っています。
VIPルームやシーズンシートを活用し、非日常的な観戦体験を共有することで、日常のビジネスシーンでは得られにくい感情的なつながりや親近感を育んでいます。
▼VIPルーム
こうした体験を通じて、信頼関係の強化と長期的な顧客ロイヤルティの向上につなげています。実際、2023年度は64試合分のシーズンシートを活用し、247名の顧客を招待するなど、顧客との関係深化に確かな成果を上げています。
【従業員満足度の向上】日本航空株式会社
日本航空株式会社（JAL）は、スポンサーシップを通じて、地域活性化と従業員満足度の向上を実現しています。
九州の航空インフラを支える企業として、ホークス戦の観戦機会を社員に提供し、福利厚生と一体感の醸成を図っています。特に「鷹祭 SUMMER BOOST」では、福岡空港のスタッフがホークスユニフォームを着用して業務にあたるなど、チームと一体となった応援活動がモチベーション向上につながっています。
▼ユニフォームを着用したスタッフ
また、球場ビジョンでの映像演出や座席ネーミングライツなどを通じて、ブランド認知の拡大と企業イメージの強化にも成功しています。
【販売促進】イオン九州株式会社
イオン九州株式会社は、イオンやマックスバリュ、ウエルシアプラスなどを九州7県・山口県に330店舗以上展開し、地域の暮らしを支える多彩な事業を運営しています。
長年にわたり福岡ソフトバンクホークスのオフィシャルスポンサーを務め、スポンサー権益を活用したセールやキャンペーン、バックネットLED広告の掲出などを実施し、販売促進とブランディング強化を両立する取り組みを行っています。
なかでも、ホークスの優勝をきっかけに開催される「ホークス優勝セール」は、地域一体で盛り上がる恒例イベントとなっています。CMやSNSでの事前告知や、球団ロゴ・マスコットを使用した店頭演出により、来店動機を創出し、毎年大きな売上の反響を得ています。
▼優勝記念セールの広告
また、ホークス公式戦での冠協賛イベント「イオンデー」や、宮崎春季キャンプでの恵方巻の配布イベントなど、地域に密着した取り組みを実施しています。ファンや地域住民との共感を通じて、企業ブランドと購買行動をつなげる取り組みとして高く評価されています。
【CSR活動】山九株式会社
山九株式会社は、物流・プラント事業をグローバルに展開しており、スポンサーシップを通じて、地域貢献と社会的責任（CSR）の実践に取り組んでいます。
九州の復興支援と地域活性化を目的としたイベント「ファイト！九州」に協賛し、ロゴ入りユニフォームを通じて地域の一体感を醸成しています。スポーツを通じて人々に勇気と希望を届ける活動を支援し、地域社会とのつながりを深めています。
▼「ファイト！九州」のイベント
また、みずほPayPayドーム福岡の「ホームランテラス」へのネーミングライツ契約を通じて、フェンスやチケットなど多様な媒体で「SANKYU」ロゴを掲出しています。テレビ中継などによる露出効果もあり、社会貢献活動とブランド認知向上を両立する取り組みとして注目されています。
なお、『福岡ソフトバンクホークス』では、これまでに約4,000の企業さまとお取引いただいています。また、球団運営にご賛同いただき、一定金額のスポンサード契約を締結した企業さまをオフィシャルスポンサーとして、さまざまなサービスを提供しています。オフィシャルスポンサーの一覧はこちらからご確認いただけます
まとめ
この記事では、スポンサー企業について以下の内容を解説しました。
スポンサー企業とは
スポンサー企業になるメリット
スポンサー企業に必要な戦略と差別化ポイント
福岡ソフトバンクホークスのスポンサー企業になった事例
スポンサー企業になることは、スポーツや文化活動への支援を通じて、認知度向上、顧客との関係構築、従業員満足度の向上、販売促進、CSRへの貢献など多面的な価値を生み出します。
成功には、自社の独自価値を打ち出し、従業員のエンゲージメント向上を実現しながらESGを意識した持続的な取り組みが欠かせません。福岡ソフトバンクホークスの事例が示すように、スポンサーシップは企業の課題解決と成長を後押しする強力な手段となります。
『福岡ソフトバンクホークス』では、認知向上や販売促進など多角的なアプローチに活用できる豊富なスポンサーシップメニューを用意しています。
詳しくはこちらの資料をご覧ください。
