【面白い広告】とは?人々を引きつける広告事例11選
私たちは毎日、膨大な広告に触れています。その中で、なぜか記憶に残り、心を掴まれる「面白い広告」が存在しています。
「面白い広告」の定義は多岐にわたりますが、共通するのは感情に強く訴えかけ、記憶に残り、行動を促す力を持っていることです。本記事では、そんな「面白い広告」の魅力と作り方、成功事例をご紹介します。
>おすすめの関連記事はこちら
・インパクトのある広告で認知や共感を高めるには。実践したい施策のアイデア3選
・スポーツ×広告がマーケティングに有効な理由。企業が取り入れたい効果的な手法とは
目次[非表示]
- 1.広告における面白さとは?
- 1.1.心が掴まれる面白さ(共感と洞察)
- 1.2.笑顔をもたらす面白さ(ユーモアと遊び心)
- 1.3.常識を覆す面白さ(意外性とサプライズ)
- 1.4.考えさせる面白さ(知的刺激と謎解き)
- 1.5.視覚的な面白さ(美意識と洗練)
- 2.面白い広告を生み出す方法
- 2.1.ターゲットを深く理解する
- 2.2.商品の本質的な価値を見つける
- 2.3.アイデアの発想
- 2.4.表現方法の選択
- 3.球場を舞台にした面白い広告の事例
- 3.1.事例① サントリー食品インターナショナル株式会社〈CRAFT BOSSの広告〉
- 3.2.事例② 株式会社マルカン〈ゴン太の広告〉
- 3.3.事例③ 株式会社 関家具〈(大)関家具の広告〉
- 3.4.事例④ 株式会社麻生〈内野天井の広告〉
- 3.5.事例⑤ PayPay株式会社〈ビジョン広告〉
- 3.6.事例⑥ 福岡トヨタ自動車株式会社〈ホームランテラスの演出〉
- 3.7.事例⑦ 株式会社 LAV〈もつ鍋おおやま5ゲート〉
- 3.8.事例⑧ 麒麟麦酒株式会社〈キリン一番搾り生ビールの広告〉
- 3.9.事例⑨ 株式会社セブン-イレブン・ジャパン〈ラッキーセブンのビジョン演出〉
- 3.10.事例⑩ ヤマエグループホールディングス株式会社〈マウンド広告〉
- 3.11.事例⑪ 株式会社SBI証券〈階段広告〉
- 4.まとめ
広告における面白さとは?
私たちが「面白い」と感じる感情は、非常に多岐にわたります。広告における面白さも同様に、様々な側面を持っています。
心が掴まれる面白さ(共感と洞察)
私たちは、自分自身の経験や感情と重なるものに「面白い」と感じやすい傾向があります。
広告においても、ターゲット層が抱える悩みや願望、日常のささいな出来事を的確に捉え、「あるある!」と共感を呼ぶ広告は、強い印象を残します。
笑顔をもたらす面白さ(ユーモアと遊び心)
シンプルに、笑いを誘う広告は、多くの人に受け入れられやすいです。
ベタなギャグ、シュールな世界観、パロディなど、ユーモアの形は様々ですが、いずれも見る人の心を和ませ、ポジティブな感情を生み出します。
常識を覆す面白さ(意外性とサプライズ)
人は予測できないものに驚き、興味を引かれます。広告における意外性は、既存の常識や期待を裏切ることで生まれます。
予想外の展開、斬新な表現、あるいは全く関係ないように見える要素の組み合わせなど、見る人の意表を突くことで、強烈なインパクトを与えます。
考えさせる面白さ(知的刺激と謎解き)
すべての面白い広告が笑いを誘うわけではありません。中には、見る人に深く考えさせたり、謎を解きたくなるような好奇心を刺激したりする広告もあります。
抽象的な表現、意味深なフレーズ、あるいは続きが気になるようなストーリーテリングは、見る人の想像力を掻き立て、広告の世界に引き込みます。
これらの広告は、即座に商品の購入に繋がらなくとも、ブランドに対する興味や関心を長期的に高める効果があります。知的な刺激は、より深いレベルでのエンゲージメントを生み出します。
視覚的な面白さ(美意識と洗練)
広告は、視覚的な情報が非常に重要です。美しい映像、洗練されたデザイン、独創的な色彩感覚は、それ自体が「面白い」と感じさせる要素となり得ます。
アート作品のような広告は、見る人の感性に訴えかけ、ブランドの持つ世界観や価値観を伝えます。
面白い広告を生み出す方法
面白い広告は、偶然生まれるものではありません。そこには、明確な戦略とクリエイティブな発想、そしてそれを実現する技術が不可欠です。
ターゲットを深く理解する
「面白い」と感じるポイントは、人それぞれ異なります。そのため、誰に何を伝えたいのか、つまりターゲット層を明確に設定し、その人たちの価値観、ライフスタイル、興味、悩みなどを深く理解することが出発点となります。
商品の本質的な価値を見つける
面白い広告は、単に笑わせるだけでなく、最終的に商品やサービスの魅力を伝える必要があります。
そのためには、商品やサービスの持つ本質的な価値、競合との差別化ポイント、そしてそれが顧客にどのような利益をもたらすのかを明確に把握することが重要です。
アイデアの発想
面白さを生み出すアイデアは、一朝一夕には生まれません。さまざまな発想法を駆使し、多様な視点からアプローチすることが重要です。主なアイデアの発送方法は、以下の通りです。
-
ブレインストーミング
自由な発想を促し、量に重点を置いてアイデアを出し合う。
-
マインドマップ
中心となるテーマから放射状にアイデアを広げていく。
-
SCAMPER法
既存のものをS(Substitute:置き換える)、C(Combine:組み合わせる)、A(Adapt:適応させる)、M(Modify/Magnify:修正・拡大する)、P(Put to other uses:他の用途に使う)、E(Eliminate:削除する)、R(Reverse/Rearrange:逆にする・並べ替える)という視点で見つめ直す。
-
強制連想
全く関係のないものと無理やり結びつけてアイデアを出す。
-
視点変換
ターゲットや商品の視点を変えて考えてみる。
-
ストーリーテリング
商品を主人公にした物語を考えてみる。
これらのテクニックを組み合わせながら、多くのアイデアを出し、その中から光るものを見つけ出す作業が不可欠です。
表現方法の選択
アイデアが固まったら、それをどのように表現するか、最適なメディアを選択します。そして、最終的にはそのアイデアを高いクオリティで実行することが求められます。
いくらアイデアが良くても、映像の質が低かったり、デザインが安っぽかったりすれば、その面白さは半減してしまいます。プロフェッショナルな制作チームとの連携が不可欠です。以下では、主なメディアを紹介します。
-
映像(CM)
ストーリー性、音楽、動きで感情に訴えかける。
-
グラフィック(ポスター・Webバナー)
視覚的なインパクト、メッセージの簡潔さが重要。
-
体験型広告(サンプリングなど)
消費者を巻き込み、五感に訴えかける。
-
SNSを活用した拡散
シェアしたくなるような話題性、参加性を意識する。
球場を舞台にした面白い広告の事例
福岡に本拠地を置く福岡ソフトバンクホークスは、単なるスポーツチームの枠を超え、エンターテイメント企業として、多角的な広告プランをご提供しています。
球場という唯一無二の空間を最大限に活用し、ファンだけでなく、来場者全員に「面白い」と体験といただける工夫が凝らされています。
事例① サントリー食品インターナショナル株式会社
〈CRAFT BOSSの広告〉
サントリー食品インターナショナル株式会社は、みずほPayPayドームの大型ビジョンにコーヒーブランド「CRAFT BOSS」の広告を掲出しています。
この広告では、福岡ソフトバンクホークスのキャップを被ったビジュアルを採用することで、ホークスファンの注目を集める工夫が凝らされています。
さらに、ファンの応援心理を巧みに捉えたメッセージも発信しています。「みんなで勝ちテー!」という勝利への願いと、商品の訴求「勝ちTEA!」を掛け合わせることで、ファンの一体感を醸成しつつ、商品の訴求にも成功しています。
事例② 株式会社マルカン
〈ゴン太の広告〉
株式会社マルカンは、みずほPayPayドームのバックネットに印象的な広告を掲示しています。
打者が打席に立つバッターボックスの後方にはドッグフードでおなじみの「ゴン太」の姿が出現しています。このユニークな広告は、そのインパクトから多くのSNSなどでも話題を集めています
真剣な眼差しでプレーする選手たちの後ろで、愛らしい「ゴン太」が微笑んでいる光景は、試合中継の視聴者の記憶に残る広告になっています。
事例③ 株式会社 関家具
〈(大)関家具の広告〉
株式会社関家具が、みずほPayPayドームのバックネット裏LEDに掲示している広告が注目を集めています。試合中、何度も露出するこの広告は、通常のPRに加えて、ホークスの大関投手が登板する際に特別な演出が加わります。
なんと、大関投手が投球する際には、おなじみの「関家具」のロゴに「大」の文字が追加され、「大関家具」と表示されるのです。このユニークなコラボレーションは、野球ファンだけでなく、多くの人々の間で話題となっており注目を集めています。
事例④ 株式会社麻生
〈内野天井の広告〉
株式会社麻生は、みずほPayPayドームの内野席上部に、ひときわ大きく視認性の高い広告を掲出しています。この内野天井広告は、ドーム来場者の注目を一身に集める、インパクト抜群の媒体です。
この巨大な広告スペースを最大限に活用し、1試合あたり最大4万人もの来場者に向けて、自社の企業ブランドを効果的にアピールしています。
事例⑤ PayPay株式会社
〈ビジョン広告〉
PayPay株式会社は、みずほPayPayドームの大型ビジョンを活用し、効果的なサービス訴求を行っています。ホークスの選手がPayPayのPRを行うことで、観戦者の注目を集める広告を展開しています。
具体的なお得さをあえて明示していない点もポイントです。これにより、詳細を知りたいというユーザーの心理を喚起し、サービスへのエンゲージメントを促しています。
事例⑥ 福岡トヨタ自動車株式会社
〈ホームランテラスの演出〉
福岡トヨタ自動車株式会社は、みずほPayPayドームのホームランテラスへの命名権(ネーミングライツ)を活かし、ドーム内で車を用いたユニークな演出を通じて企業名をPRしています。
ピンクに彩られた車体には社名が明記されており、その演出の様子は大型ビジョンにも映し出されます。これにより、多くのホークスファンに向けて、効果的に企業ブランディングを行っています。
事例⑦ 株式会社 LAV
〈もつ鍋おおやま5ゲート〉
株式会社LAVは、みずほPayPayドームの5ゲート命名権(ネーミングライツ)を取得し、効果的なブランディングを展開しています。
「もつ鍋おおやま5ゲート」と名付けられたこのゲートでは、来場者が巨大なもつ鍋のオブジェとインパクトのあるビジョン広告に迎えられます。これにより、来場者の記憶に強く残り、福岡を象徴するみずほPayPayドームで、企業PRにつなげています。
事例⑧ 麒麟麦酒株式会社
〈キリン一番搾り生ビールの広告〉
麒麟麦酒株式会社は、みずほPayPayドームの大型ビジョンを活用した印象的なPRを展開しています。投手が投球するたびに表示される球速の横には、同社の人気商品「キリン一番搾り生ビール」のビジュアルが掲示されます。
野球ファンは1球ごとに球速を確認する習慣があるため、この広告は繰り返し目に触れる機会を創出しています。
例えば、1試合で投手が投げる球数を両チーム合わせて260球と仮定すると、観戦者はその回数だけ「一番搾り」の広告に触れることになり、非常に高い露出効果が期待できます。
事例⑨ 株式会社セブン-イレブン・ジャパン
〈ラッキーセブンのビジョン演出〉
株式会社セブン-イレブン・ジャパンは、みずほPayPayドームの大型ビジョンにて、ホークスのラッキーセブン(7回)の攻撃時に、「7」の数字を強調したセブン-イレブンの企業ロゴを掲出する特別な演出を実施しています。
観戦者がビジョンに注目するこのタイミングを捉え、インパクトのある広告として球場全体の盛り上げに貢献しています。
事例⑩ ヤマエグループホールディングス株式会社
〈マウンド広告〉
ヤマエグループホールディングス株式会社はみずほPayPayドームのマウンドに広告を掲出しています。投手が投球を行う際、必ず中継映像に映し出されるため、テレビやインターネット配信を通じた露出が多いのが特長です。
特に、投手と打者の緊迫した対決の場面では、視聴者の視線が自然と集まり、繰り返し広告に触れる機会が生まれます。
事例⑪ 株式会社SBI証券
〈階段広告〉
株式会社SBI証券は、みずほPayPayドーム正面の大階段に広告を掲出しています。階段の段差を活かしたユニークなデザインは、来場者の注目を集めています。
この広告は、来場者が通る場所に位置するため、自然な形で訴求できるだけでなく、SNSなどで写拡散される可能性も秘めています。
ホークスの広告媒体を積極的に活用することで、単に商品を売るだけでなく、ファンとのエンゲージメントを深め、地域社会との繋がりを強化し、長期的なブランド価値を構築することができます。
試合の興奮や感動といった非日常的な体験と広告が結びつくことで、記憶に残りやすい「面白い広告」を届けられます。
まとめ
この記事では、面白い広告について以下の内容を解説しました。
広告における面白さとは?
面白い広告を生みだす方法
球場を舞台にした面白い広告の事例
面白い広告は、単に商品を売るためのツールではありません。時に私たちを笑顔にし、時に感動させ、時に考えさせ、そして私たちの日常に彩りを加えてくれる、一つのエンターテイメントです。面白い広告は、消費者の心に残り、会話のきっかけとなり、ブランドへの好意的な感情を育みます。
特に福岡ソフトバンクホークスを活用した事例のように、特定の場所と結びつき、そこで生まれる「体験」と一体化した広告は、単なる情報伝達を超えた深い意義を持ちます。球場のビジョン広告や看板広告など、多岐にわたるホークスの広告商材は、ファンの熱気と興奮の中で、ブランドへの愛着や信頼感を育む強力なメディアとなっています。
『福岡ソフトバンクホークス』では、企業にあわせて、広告プランを用意しています。詳しくは、こちらをご確認ください。