5月30日（土）のドラゴンズ戦（ヤフードーム）は、一つ間違えば負けていた試合でした。その危機を救ったのは2人のベテラン選手。15年目の多村仁志選手と16年目の佐藤誠投手でした。

多村選手は、まず自慢の強肩で相手の先制点を阻止しました。3回表、2死二塁。右前打の打球をキャッチすると素早くバックホーム。多村選手は「井出コーチの（守備位置の）指示と田上のブロックのおかげ」と話しましたが、“そこしかない”完ぺきな送球で走者を刺しました。さらに打撃でも貢献。同点に追い付かれた直後の5回裏は犠飛、8回裏には今季第1号本塁打でチームに貴重な追加点をもたらしました。「入るとは思わなかった。ビックリです。本当はもっと完ぺきな本塁打を打ちたいですけどね（笑）」と言いながらも、それでもスタンドまで運ぶところはさすが天性の長距離砲です。
復帰後は19打数9安打と絶好調です。「打率は関係ないよ。勝利に貢献する一打、プレーをすることが大切」と身を引き締めるように話していました。

佐藤投手はチームに流れを引き寄せる投球をしました。5回表、同点に追いつかれてなおも1死満塁の大ピンチ。打席は5番・和田選手。「今年一番厳しい場面」でしたが、ベテラン右腕は落ち着いていました。初球は内角へシュートで腰を引かせ、勝負は2球目。外角低めへのカーブで内野ゴロ。見事「6－4－3」の併殺打で逆転を許しませんでした。今季は5月10日（日）に1軍に昇格。「遅れてきたぶん、取り返さないといけない」と気合十分。それでも今後の目標を尋ねると「与えられた場面でコツコツ抑えていきたい」と佐藤投手らしくほんわかと話しました。