2010.10.19 TUE
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ソフトバンクは日本シリーズ進出に王手をかけながら2連敗を喫し、対戦成績3勝3敗で迎えたクライマックスシリーズ・ファイナルステージの最終戦。ファンとナインの気持ちを一つに運命の一戦で勝利を飾り、必ず日本一への挑戦権を掴み取りたいところです。
その大事な試合でソフトバンクの先発が杉内、そしてロッテの先発が成瀬と第1戦と同じエース対決。前回敗戦の雪辱に燃える杉内は、1・2回を2イニング連続の三者凡退に仕留めると、続く3回には川崎・本多の好守にも助けられ無失点。更に4回には今度は長谷川・多村もファインプレーで後押しし、チーム一丸となってロッテ打線を封じ込めていきます。
ところが早めに先制点を奪いたいソフトバンク打線は、成瀬の前に序盤3回をノーヒット。続く4回に2死からオーティズがレフト前へ待望のチーム初ヒットを放つも、後続が倒れてしまい無得点と、なかなかチャンスを作ることが出来ません。
すると5回、杉内は簡単に2死を奪うもそこから満塁のピンチを招いてしまい、続く井口に痛恨の押し出し死球。これでロッテに先制点を与えてしまうと、更にサブローへの押し出し四球と今江の2点タイムリーで、この回計4失点。突如乱れてしまった杉内は、ここで無念の降板となってしまいます。
それでもその後のピンチを2番手・森福がわずか1球で断ち切ると、降板したエース・杉内のためにも流れを変えたいソフトバンクは続く6回から3番手・和田が中3日で登板し、6・7回の2イニングを無失点の好リリーフ。しかし8回に4番手・ファルケンボーグがロッテ打線に捕まってしまい、大松の第2号2ランなどでこの回まさかの3失点。終盤で痛すぎる7点差と、非常に苦しい展開となってしまいます。
また一方の打線も成瀬攻略の糸口を掴むことが出来ず、8回まで4安打・無得点と沈黙。大逆転劇へと底力を発揮したい9回裏の攻撃も、続投した成瀬の前に3人で終えてしまい万事休す。ソフトバンク、あと一歩のところで及ばず、クライマックスシリーズはロッテの優勝で幕を閉じました。
しかし球団・7年ぶりの日本シリーズ進出とはいかずとも、念願のリーグ優勝を果たし、打撃陣・投手陣ともに大きな躍進を遂げた2010年のソフトバンク。打撃陣では川崎が今季190安打で球団記録を塗り替えると、本多も今季59盗塁で盗塁王のタイトルを獲得。更にキャプテンとして誰よりもチームの勝利を考えた小久保、打撃フォームや怪我に苦しんだ松中の奮闘、持ち前の勝負強さが光ったオーティズや6年ぶりの日本球界復帰を遂げたペタジーニなど、機動力とパンチ力を兼ね備えた打線へと成熟。その中でも特に活躍目覚しかったのが多村。大きな怪我がなく自己最多の140試合に出場し、チームの三冠王とともにその活躍は欠かすことは出来ず、まさにリーグ・大逆転Vの立役者。
また投手陣では、ただならぬエースの重圧も内に秘めた闘志で引っ張った杉内、そしてその杉内とともに左の2枚看板として今季17勝で最多勝と、2003年・新人王以来となるタイトルを掴んだ和田。更に終盤に疲れが見られるも、今年も強靭なメンタルで大車輪の活躍を見せた攝津とファルケンボーグ。そして絶対的な守護神・馬原へと繋ぐ「SBM勝利の方程式」に加え、数々の窮地を救い自信を掴んだ甲藤と森福。またシーズン途中から加入し、幾度も悪い流れを変えた金澤など、中継ぎ陣の充実で圧倒的な投手力はその厚みを一層増し、投げ勝つ試合を多く演出しました。
日本一への夢は途切れてしまい、リーグ優勝とクライマックスシリーズ敗退という栄光と挫折の両方を味わった秋山ソフトバンクの2年目。ヤフードームを真っ赤に染めたファンの大きな力、それに後押しされたナインの熱き想い。今年得たその全てを糧にし、来年のリーグ連覇、そして果たすことが出来なかった更なる高みへと、チームは再び歩み出します。

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