2008/08/30 (土)

吉川選手、執念と苦労で生んだプロ初アーチ

延長11回裏1死、吉川選手は左越えに同点本塁打を放つ
延長11回裏1死、吉川選手は左越えに同点本塁打を放つ

 執念の引き分けだ。今季初のドロー劇は不屈の精神を宿した育成枠出身の吉川元浩内野手(29)が主役だった。延長11回。西武に1点勝ち越された直後に代打吉川選手が同点ソロを左翼席へ運んだ。プロ11年目、苦労の末に飛び出したプロ初アーチだった。グラマン投手とは初対決だったが「あまり深くは考えていなかった」。初球の直球を狙った。人影が減り始めていた左翼席へ、貴重な同点ソロを打ち込んだ。
 王監督も笑うしかなかった。「なんてったって吉川が見事な本塁打だった。いいところで打った。大したもんだ」。300本塁打の主砲以上に賛辞を贈った。巨人を戦力外となり、トライアウトを経て育成枠で今季入団。新外国人の獲得交渉が不調だった影響で、7月末に支配下登録されたばかり。この日が1軍昇格から6試合目だった。「自信とかまではいきませんが、今のところはいい感じできています」。「崖の上」へとはい上がろうと必死の男が5時間ゲームの主役になった。

 

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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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