福岡に本拠地を構えるプロ野球球団の福岡ソフトバンクホークス、音楽専門チャンネルのスペースシャワーTV、セレクトショップのBEAMSという3社がプロデュースする音楽フェス『FUKUOKA MUSIC FES.2023』が1月28日(土)に福岡PayPayドームにて開催された。
“福岡の地がプロ野球のみならず、エンタテイメント発信の場となれば”という願いのもと開催された本イベントには、日本の音楽シーンを代表する全12組が出演し、約24,000人のオーディエンスが大熱狂した。
今年の12組は、[Alexandros]、神はサイコロを振らない、クリープハイプ、SUPER BEAVER、sumika、Novelbright、04 Limited Sazabys、マカロニえんぴつ、緑黄色社会、WANIMAといったバンド陣に加えて、ソロアーティストとしてyama、グローバルボーイズグループとしてINIが出演と今まで以上に幅広いラインアップ。まさに、ジャンルボーダーレスで、唯一のコラボレーションもWANIMAとINIという豪華な組み合わせで、福フェスでしか観られないステージがあった。
福フェスならではの魅力は、チケットの種類からも感じられる。いわゆる通常チケットだけでなく、ゆったりシートに座れるチケットやアリーナ中央席を確約されて豪華ランチビュッフェが食べられるプレミアムチケットなど、ドームという特性を生かしたものになった。
ここ数年は中々フェスやイベントが開催されない時期も続いたが、だからこそ『FUKUOKA MUSIC FES.2023』の開催を心待ちにしていたアーティスト・オーディエンス・スタッフ全員の想いが詰まった1日になった。
また、物販や出店の展開にも福フェスでしか味わえないドキドキワクワクが詰められている。BEAMSプロデュースグッズから各アーティストが名前を付けた出演者をイメージしたオリジナルフード&ドリンクメニューを始め、当日しか食べられないオリジナルフード&ドリンクメニューも用意された。
ドーム内は全席指定となっており、新型コロナウイルス感染症拡大予防措置が徹底されてはいるものの、オーディエンスのマスク越しからは嬉しそうな微笑みも観る事が出来た。アーティストの中には今年初となるライブを迎える者たちも多く、一時的に声出しOKのルールも上手に使いながら、全身全霊でライブに挑んでいた。過去にこだわり過ぎず、新しいライブのコミュニケーションを踏まえた上で、強い気持ち強い愛が溢れていた。去年同様、雪がちらつく誠に寒い福岡の地ではあったが、本当に熱いライブで福岡PayPayドームに集ったオーディエンスは温められたに違いない。
今年の大トリであるWANIMAのKENTAによる呼びかけで、一番最後にオーディエンス全員とのジャンプで締めた大団円は、絶対に忘れられない風景となった。来年こそはマスクを外してのコール&レスポンスも自由に聴ける環境になっていたら幸せでならない。とにかく福岡の素晴らしき音楽祝祭を多くの人に知っていただききたい。
(text:鈴木淳史)