年の瀬の恒例行事となっている「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2024~第20回記念大会~」が12月26日、明治神宮野球場とベルーナドームで開幕しました。2009年大会以来、15年ぶりの日本一を狙う福岡ソフトバンクホークスジュニアは大会初日、阪神タイガースジュニアと対戦し、11-0で快勝しました。13安打と強力打線が爆発。就任6年目を迎えた帆足和幸監督は初めて初戦を勝利で飾りました。
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|
ホークスジュニア |
0 | 0 | 1 | 3 | 7 | 11 |
タイガースジュニア | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ホークスジュニア:平井、松永、大原ー富安
タイガースジュニア:関井、大谷、中川ー井上凛
ホークスジュニア:今西
ホークスジュニアの打線が大爆発した。両チーム無得点で迎えた3回にまずは均衡を破った。富安康成選手の中前安打から1死三塁のチャンスを作ると、リードオフマンの髙城翼冴選手が中前へと運んで待望の先制点。この一打がチームに勢いをもたらした。
4回には山﨑海和選手の遊撃への内野安打を足がかりに、今西優成選手、山田吏槻選手の連続適時打などで3点を加えてリードを広げた。打線が火を吹いたのは5回だった。外山泰基選手が右中間を真っ二つに破る三塁打を放つと、石田陸人選手の遊撃失策の間に1点を追加。なおも2死一、二塁の場面で今西選手が中越えの3ランを放った。
さらに山田選手、富安選手、佐々木銀侍選手も連打で続くなど、この回一挙7得点を奪うビッグイニングに。投手陣は大事な初戦を任された先発の平井秀虎選手が4回まで阪神タイガースジュニア打線をわずか2安打に封じる好投。リードを広げた5回は松永悠希選手、大原颯二郎選手が無失点リレーで繋ぎ、11-0と幸先良いスタートを切った。
帆足和幸監督が就任して6年目で初めて初戦に勝利し、27日の次戦は中日ドラゴンズジュニアに8-1とコールドで勝ち上がってきたヤクルトスワローズジュニアと対戦。勝てば、文句なしで準決勝進出が決まる。
(試合前の)スタートのボール回しからいい雰囲気で入ってくれていたので、そのままゲームにも入っていけたようにと思います。
先発の平井選手がしっかりゲームを作ってくれました。いつも通り、普段通りのピッチングをしっかりしてくれた。打線の方はあんなに打つとは思っていなかったのですが、本当によく声も出て、勝利を呼び込む雰囲気を作ってくれたように思います。
いつもそういう感じなので。あまり感情を表に出す子じゃないですが、本当にいいボールを投げますし、今日もよく投げてくれました。
緩急をうまく使ったり。牽制も上手ですし、頼もしいピッチャーです。
期待通りの活躍をしてくれたと思います。力は持っていますし、しっかり前で捉えれば飛ぶということをいつも伝えているので、いつも通りのバッティングをしてくれたように思います。
やっぱりみんな緊張していると思うので、なるべくいろんな選手を使って、ちょっとでもリラックスさせたいな、という思いがありました。点差も開いていたので、なるべくみんな使いたいな、と思って交代しました。
そうですね、今年はピッチャーの粒が揃っていますし、守備からリズムを作れるチームなので、しっかり守り勝つ野球をしていきたいです。今日はたまたま打ち勝てたと思うので。
キャプテンとしてしっかりチームをまとめて引っ張ってくれていますし、彼のプレーでみんなノっていけると思います。キャプテンとしてプレーでも、人間性でもしっかり引っ張ってくれています。
しっかりと守備からリズムを作っていきたいと思います。
いつも楽しそうにやってくれて、いいですね。
ありがとうございます。
今まで4か月間、練習試合でもいい結果が出ていなかったので、今までの中では一番良かったと思います。
バッティングはよく褒められるので、バッティングで期待に応えられてよかったです。
1、2打席目を引っ掛けてゴロになったので、それを意識して引っ掛けないように打ったらライナー性で飛んでいって良かったです。
ベンチでもネクストでもタイミングをしっかりとって、打席に入ってから遅れないように打てる準備をしっかりしていました。
どこのチームよりもキツい練習をしていると思う。コーチたちもそう言っているので、それが一番良かったかなと思います。
元気があるチームだと思います。今日は今までの中で一番元気が出ていて良かったと思います。
話はできていましたし、絶対に初戦を勝ちたいという気持ちがみんなにあったので、それで元気出してやれていました。
ホークスジュニアに入ってからは1本も打っていなかったので、嬉しかったです。
歓声とかも大きくて、めちゃくちゃ嬉しかったです。
ありがとうございます。
センター前を打てたのは良かったですが、まだ後悔が残る打席があったので、そこをまた次の試合で修正できたらなと思います。
はい。最初はとても緊張しましたが、途中から監督・コーチが励ましてくれて、ラクになりました。
みんなが繋いでくれたので、絶対打ってやろうっていう気持ちで入りました、しっかりと打ててよかったです。
本当に嬉しかったです。
プロ野球選手の気分で、すごくいい経験ができたと思います。
スタッフの人から今まで初戦を勝っていないことを聞いて、絶対勝ってやろうっていう気持ちでいました。
ありがとうございます。
いつも初回、2回に球数が多くなってしまって、そこが反省点の1つです。初球ストライクの入り方は悪くはなかったかなと思います。
良かったと思います。
そんなに緊張はしていなくて、めちゃくちゃ自信がありました。
タイガースさんとは1回練習試合をしたのでその試合を見たり、他のチームとの試合をYouTubeで見たりしていたので自信がありました。
本当に助かりました。
みんなで協力して、日本一になりたいと思います。
15年ぶりの頂点に向けた4日間の戦いは11得点とド派手に幕を開けた。その立役者になったのが、爆発した打線の中心となった今西優成選手だった。大量7得点を奪った5回に豪快な中越えの3ランを放ち、3安打4打点の大活躍。試合後は「今まで4か月間、練習試合をやっても、いい結果が出ていなかったので、今までの中では一番良かった試合だと思います」とはにかんだ。
2回の第1打席で遊撃への内野安打で出塁すると、1点リードの4回には1死三塁で三塁線への適時内野安打で2点目を生み出した。5回には2死一、二塁で阪神タイガースジュニアにトドメを刺す豪快な3ラン。打球がフェンスを越えていくのを確認すると、右手を突き上げてガッツポーズを決めた。本塁ベースを踏むと、集まったチームメートたちからの祝福を浴びた。
スタンドで声援を送った家族には1日遅れの“クリスマスプレゼント”になった。母の奈々さんは「ビックリしました。すごかったですね」と驚きを隠せない。末っ子で、普段は「ワガママ」だというが、ホークスジュニアでの活動が始まってから4か月で人間的にも急成長を遂げた。
「かなり成長しました。自分から自主練をするようになりましたね。これまではこっちが言って、無理矢理やっていたのが、ホークスジュニアに入ってからは『練習付き合ってくれ』って自分からやるようになりました。みんなが上手いから『自分も頑張らないといけない』って」。4か月間の努力が最高の形で実り、奈々さんの表情も自然と綻ぶ。
今西選手の“憧れ”は兄の壱成さん。一緒に野球を始めた兄も神宮球場のスタンドで観戦したが、実は本人の知らない“サプライズ観戦”だった。兄は弟に「三振したら家に入れない」と発破をかけていたが、三振どころか3ラン含む3安打4打点。この大活躍に兄も「嬉しいです」と喜んでいた。
「新しいバットを買って欲しいって言われて『じゃあ、これ(ホークスジュニア)に受かったら買ってあげる』って」(奈々さん)。ひょんなキッカケから始まったホークスジュニアでの物語。ド派手な活躍で、年の瀬に最高の“家族孝行”になった。