2009/04/22 (水)

松中選手、今季初の2打席連続アーチで日本ハムの連勝を止める

3回表1死三塁、松中選手は逆転本塁打を放つ。投手は多田野投手
3回表1死三塁、松中選手は逆転本塁打を放つ。投手は多田野投手

松中信彦選手が今季初の2打席連続アーチで日本ハムの連勝を5で止めた。3回に左翼へ逆転2ラン、4回にも右翼ポール直撃の2ラン。「久々に自分の打撃ができたという感じ。試合としても自身にとってもいい1本でした」。6回に現役最多となる通算100死球を受けた。そのボールをポケットに隠し持ち帰った。両軍合わせ26安打の乱打戦を制し、チームは今季初の3連勝。

高々と舞い上がった“レフトフライ”が左翼席最前列に落ちた。勝ち越された直後の3回1死三塁。「最低でも犠牲フライを、と」。多田野投手の外角スライダーに踏み込み、まずは逆転2ラン。秋山幸二監督が「フライと思った。この球場で良かった」と言うのも無理はない。広いヤフードームなら客席まで届かなかっただろう。それならばと、2本目は松中選手らしく決めた。
4回2死三塁。カウント2-1から多田野投手の4球目は山なりの超スローボールだった。一瞬、上目遣いにさせられ、5球目は厳しく内角攻め。これに燃えた。7球目の内角高めの得意ゾーンに右足が打席からはみ出すほど強烈なスイングで応戦。弾丸ライナーを右翼ポールにぶつけた。「久々に自分の打撃ができたという感じ。試合としても自身にとってもいい1本でした」。直前2試合は無安打。立花打撃コーチと居残り練習し、つかみかけた感触をきっちりと表現した。
6回には待望の「勲章」をゲットした。須永投手から左手首に今季初、現役最多となる通算100個目の死球を受けた。今回の関東遠征に出る前には「今度デッドボールを受けたらもらおうと思ってます。勲章ですから」と笑っていたが、さすがに顔はゆがんだ。3連発を期待した鷹党が静まる中、治療のためベンチに戻る際、こっそりと当たったボールをズボンのポケットにしまった。
手首にテーピングを巻き、痛みを我慢しながら6回裏の守備までグラウンドに立った。2打数2本塁打4打点、2四死球。勝利への執念を燃やす松中選手の全力プレーに触発され、打線は3戦連続2ケタ安打、2戦連続2ケタ得点と暴れた。今季初の3連勝。「信彦(松中)の2本目は切れなかった。あのへんは技術だね。こういうところで調子を上げてほしい」。秋山監督はゲームセットに不在だった主砲を一番にたたえた。
松中選手は試合中に都内の病院で検査を受け、幸いにも打撲の診断。100死球のうち印象に残るのは2001年8月14日の西武戦という。右後頭部に当たり、CT検査を受けた。「夜ベッドに寝てても、このまま死んでしまうんじゃないか」。トラウマになりそうな死球の残像があった。しかし「次の日もホームランを打ったんですよ」と笑った。今日の出場は患部の状態を見て判断するが、主砲はきっとグラウンドに立つ。

 

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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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