 | カメラに向かってVサインをする秋山監督 | 松中信彦選手にとっては恵みの雨だった。試合が雨天中止となったこの日、チームの移動便よりも一足早く帰福した。治療や休養に時間を費やせたことで、6日ぶりの戦列復帰へと万全の態勢を整えた。 故障で2軍調整を続けているメンバーの復帰予定も明確になった。右太もも裏を痛めていた村松有人選手の1軍昇格が最も早く、22日の広島戦に照準が定められた。秋山幸二監督は「村松は盗塁までは言わないが、ラン・エンド・ヒットができるまでになれば」と話し、19日からのウエスタン・リーグ中日3連戦を最終調整の舞台としている。開幕戦で右手甲を骨折した松田宣浩選手は19日からの1週間を2軍での実戦調整に充て、27日の巨人戦での昇格を見込んでいる。右肩を痛めていた多村仁選手については、万全を期して6月2日の横浜戦をメドに調整が進められている。 「交流戦でケガ人が帰ってくる。必要な選手なので、1日でも早く帰ってきてほしい」と秋山監督。交流戦前の借金完済には失敗したが、多くの故障者を抱えながらチームは最大連敗が「3」と何とか持ちこたえている。昨年は交流戦で優勝を果たしながら、夏場以降の失速で最下位に沈んだ。だが、今季は交流戦からの戦力充実で上昇カーブを描けそうだ。 また、中継ぎ陣にとっても、体力の回復時間を確保する恵みの雨となった。ここまで先発陣の完投は和田毅投手とホールトン投手の計2試合だけ。新人の攝津正投手がチーム最多18試合と、ほぼ2試合に1度の登板ペースなど救援陣の負担は少なくない。高山郁夫コーチは先発ローテの再編に追われる一方で「中継ぎを今日、明日(18日)と2日間、休ませることができたのは大きい」とプラス材料を喜んでいた。 |