 | | 10回裏無死、サヨナラ本塁打を放った松中選手(右)とハイタッチを交わして喜ぶ攝津投手(中央) | サヨナラを呼ぶ男だ。劇的な幕切れで勝利投手となったのは、ホークスのルーキー右腕・攝津正投手だ。延長10回表の1イニングを無失点に切り抜け、今季2勝目。プロ初勝利を挙げた8日西武戦を含め、チーム5度のサヨナラ勝利試合にすべて登板。背番号「50」はまたもチームに大きな白星を運び「我慢強く投げた結果です」と笑顔をのぞかせた。 「覚悟」して勝負に挑んだ。2死一塁で阪神金本選手を迎えた。ミスが許されない正念場で、持ち味を存分に発揮できるのが、攝津投手の最大の強みだ。外角ぎりぎりにオール直球で攻める。ボール1個分を出し入れする制球力で、カウント2-2に追い込んだ。最後は低めに沈むシンカーでの投ゴロ。自らのフィールディングで切り抜けた。攝津投手は、「球界を代表する打者」と尊敬し、寮の部屋には球団から配られた金本選手自著の「覚悟のすすめ」を置いている。 社会人時代から連日100球を投げ込むスタミナも持ち合わせ、今季40試合目で早くも20試合に登板。これには秋山幸二監督も「ファルケンボーグと摂津が頑張ってくれた」と助っ人右腕とともに、タフネスルーキーをたたえた。 宮城での楽天戦が降雨中止となった17日、チームは福岡に移動したが、秋田出身の攝津投手は、宮城での居残りを許された。観戦に訪れていた親と水入らずの時間を過ごせるようにとの首脳陣の配慮。「恩返し」の力投でもあった。 試合後には、サヨナラ男らしい一幕も。プロ初勝利のウイニングボールはオーティズ選手のサヨナラ弾。そして、この日は松中信彦選手のサヨナラ弾。試合直後には自らの手元にどちらのボールもなく、困った攝津投手は、球団スタッフに「捜索」を依頼。だが、結末も「勝ち運」を持つ男らしい。球団事務所に初勝利のボールが届けられ、さらにこの日の2勝目のボールも無事手元に。「チームの勝利が何よりです」と攝津投手。立て続けの記念ボール発見は、厳しい場面を乗り越えてきた、ご褒美に違いない。 |