2009/06/03 (水)

ホークス、多村選手の3安打2打点の活躍で3連勝

4回裏1死一塁、左越え2点本塁打を放つ多村選手
4回裏1死一塁、左越え2点本塁打を放つ多村選手
ホークスが多村仁志選手の3安打2打点の活躍で3連勝を飾った。多村選手は4回裏に2号2ランを放つなど今季2度目の猛打賞。横浜時代に2軍で打撃指導を受けた田代監督代行の目の前で恩返しの1発だった。小久保裕紀選手に続き2者連続で死球を受けた7回には、マウンド上の真田投手をにらみつける闘争心も見せた。交流戦の勝率は9割と完全に独走モード。チームの貯金は今季最多の5に伸びた。
多村選手の神経は研ぎ澄まされていた。4回裏。1点を勝ち越し、なおも1死一塁。横浜マストニー投手の初球を打った。低めに沈むチェンジアップ。「体が自然と反応した」。ストライクの高さからボールに落ちるところを迷うことなく振りきった。昨年右足ひ骨骨折で39試合出場に終わった悔しさから正月返上で筋力トレーニングに明け暮れたパワーが、ボールにひと伸びを与えた。「リストが効いたと思う。(本塁打を)狙ってないからいいんですかね」。左翼席へ2号2ラン。通算437本塁打の「ホームランアーチスト」秋山幸二監督も、そのパワーに驚きを隠せない。「先っぽだったのに、よく飛ぶなあ」。豪快な1発で試合の流れをグッと呼び込んでみせた。
集中力が高まる環境にもあった。敵将は田代監督代行。1995年に横浜入団した多村選手は、田代氏が横浜2軍打撃コーチに就任した1997年から打撃指導を受けている。「恩師」の目の前で価値ある1発。多村選手は「昔お世話になった田代さんの前で打てたことが本当にうれしい。あちらは喜んでないでしょうけど!」と声を弾ませた。多村選手は昨年、負傷で交流戦出場なし。2007年は横浜戦4試合で10打数1安打に終わり、チームも同カード4連敗。古巣相手の初白星に喜びは格別に違いない。
2回裏の左前安打と6回裏の左中間二塁打を合わせて今季2度目の猛打賞。5試合連続安打で打率も5割。これには横浜田代監督代行も「あいつを乗せるとダメなんだよ」と話すしかない。この日は、バットで快音を発し続ける男の感情が発露するシーンもあった。7回裏、横浜真田投手から左腕に死球を受けた。真田投手に詰め寄ろうとし、両軍一触即発ムード。警告試合にもなった。「珍しく取り乱してしまいました」と振り返った場面は、前打者の主将小久保選手が初球に死球を受けた伏線があった。ナインを代表し“抗議”の睨みをきかせた。
多村選手が6番に座ってから、チームは3連勝。広島が勝ち、交流戦の優勝マジック点灯はお預けとなったが、リーグ戦では首位日本ハムに2ゲーム差まで詰めた。5月下旬まで多村選手の1軍合流をジッと待った秋山監督の我慢も実ってきた。「タム(多村)は当たっているね。打つ方は状態いいので、このまま行ってほしい」。貯金は昨年最多だった「5」まで来た。この日、エース和田毅投手が戦線離脱。ナインの思いを多村選手が代弁した。「ツヨシ(和田)がいい状態で戻ってこれるようにしたい」。一丸となって戦うチームを象徴するような6月初白星だった。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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