２回裏無死、左中間にソロ本塁打を放ち、ベンチで藤岡投手らと笑顔でハイタッチを交わす田上選手

女房役もお立ち台で祝福のフラッシュを浴びた。田上秀則選手が3度目の先発バッテリーを組んだ藤岡好明投手を強力にアシスト。「藤岡が頑張った結果です。前回は僕の力が足りなかった。最低5回はと思っていました。今日は100点満点」。ヒーローインタビューでは「何て言ったらいいか分からないですが、おめでとうございます」と笑顔がトレードマークの藤岡投手を見て自分も照れてしまった。
初回は2四球と不安定な立ち上がりだったが、打線が裏の攻撃で2点を先制して援護。さらに田上選手もバットで先発転向3戦目の右腕を勇気づけた。先頭打者で迎えた2回、ウォーランド投手の真ん中にきた甘い直球を左翼席へ放り込んだ。「打つべき球を1発で仕留められた、いい本塁打」。自画自賛の2試合ぶり7号ソロで助けると、無失点のまま今季最長の6回まで導いた。
田上がアーチを描けば今季5勝2敗。2敗も1点差と限りなく勝利に近い。44試合で7本。このペースなら自身初、ホークスの捕手では05年城島選手以来の年間20発も視野に入るほど好調を保つ。5月14日ロッテ戦ではプロ初、球団史上100本目の節目のサヨナラ弾を放った。球団から客席に入ったボールを「探そうか」と持ちかけられたが「いりません。初本塁打でもないし」と断った。過去を引きずらず、目の前に集中する田上選手の性格らしかった。
この日も試合が終わればあっさり。「藤岡が頑張ってゼロに抑えてくれたのであまり僕の本塁打は…」。あくまでも引き立て役の立場を強調するが、下位打線に座る大砲として相手チームの受ける恐怖感は高まるばかりだ。