2009/06/04 (木)

藤岡投手、先発初勝利で交流戦優勝「M10」点灯

お立ち台で笑顔を見せる藤岡投手(右)と田上選手
お立ち台で笑顔を見せる藤岡投手(右)と田上選手
ホークスが救世主誕生で、交流戦優勝マジック「10」を点灯させた。プロ4年目の藤岡好明投手(24)が、横浜を6回2安打無失点に抑え、先発初白星をマーク。和田毅投手、大隣憲司投手と先発ローテーションの主軸が続々と戦線離脱する苦しい台所事情の中、先発に転向した右腕が、チームに4連勝をもたらした。
救世主とも言える活躍に藤岡投手は、試合後の会見場で照れ笑いを浮かべた。「和田さんには『早く帰ってきてください』って僕から言いましたよ」。だが、その人なつっこい笑顔は次の瞬間に消えた。2年ぶりの白星は、先発初勝利の記念星。その感想を問われたときだ。目に涙がたまったのを隠すかのように上を向き、帽子をかぶり直した。「感謝という言葉しか思い浮かびません…」。苦しみを乗り越えた先に、最高の喜びが待ち構えていた。
3度目の先発登板。もともとは新垣渚投手の不調でチャンスをつかんだが、この日は過去2度と意味合いが違っていた。和田投手、大隣投手と主力陣の負傷離脱が相継ぐ中で、マウンドに立った。だが、どん底を味わった右腕が力むことはない。新人時代の06年に62試合登板で、新人最多登板記録を樹立。だが、その反動もあって、07年から右肩痛に襲われた。昨年6月下旬、右肩肩甲骨が正常な動きをしていないことが発覚し、投げられない日が続いた。「自分はもうこのまま終わるのではと思った」。地獄を見たからこそ、この日も先を見ず、無心で投げ込んだ。「1人ずつ打ち取ることしか考えなかった」。初回2死一、二塁のピンチをしのぐと、5回2死まで無安打投球。細山田選手、石川選手に連打されたが、宮崎日大高の同級生・下園選手を中飛に打ち取り、この日最大のピンチを乗り切った。
6回2安打で3奪三振。95球の力投で横浜打線をねじ伏せた。中2のときに西武で活躍した潮崎氏(現西武投手コーチ)をまねて投げてみたサイドスロー。要所で右打者の内角にシュートを投げ込むスタイルで救援陣にバトンを渡した。ルーキー摂津正投手には、自らの新人時代の経験を生かし、ブルペンでの調整法をアドバイスしている。苦労も分かるからこそ「本当は7、8回まで投げないといけないけれど、まだ自分はそこまでのレベルではありませんので、次頑張ります」と謙虚に話して頭を下げた。
苦しい台所事情を救った右腕を、秋山監督は「藤岡がよかった。先発らしくなってきた。だんだん(先発登板に)慣れてきたかな」と、先発陣の一角として計算し始めた。チームは交流戦前半の12試合を終え、10勝1敗1分け。ついに交流戦優勝マジック「10」が点灯した。だが、秋山監督は「これから2回り目になって、これからが大変」。藤岡は「和田さん、大隣がいなくなって寂しいけれど、それをカバーするのがチーム」。チームを包む危機感が、ホークスの勝利の原動力にもなっている。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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