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5回表2死、左越えソロ本塁打を放つ田上選手 |
田上秀則選手が、新装マツダスタジアム初の場外弾となる推定140メートル弾を放った。6点リードの5回表。広島青木高投手の内角寄りの直球をすくい上げた。打球は左翼席の観客の頭上を越え、球場外に設置されている防球ネットを揺らした。「完璧です! 初の場外弾? うれしいっすね」。豪快な8号ソロに8番打者の声が弾んだ。
この1発で自身のシーズン最多9本塁打(07年)に、あと1本と迫った。球団では05年城島選手(現マリナーズ)以来の捕手2ケタ本塁打も目前だ。この日は自身初の1試合4安打もマークした。新しい歴史の扉を開くため、地道な努力と、したたかな計算を忘れない。古傷を持つ両ひざへの負担を減らすため、昨年より8キロ減の体重78キロでシーズンイン。レギュラークラスには珍しい背番号「70」も、相手投手の油断を誘うために背負い続けている。初登板の先発ジャマーノ投手の初勝利もアシストした正妻が攻守に光った。
14安打でチームは今季3度目の2ケタ得点。降雨コールドゲームの“省エネ"で7日からの阪神戦に向け、予定よりも約2時間も早く関西入りと、すべては好循環に回っている。「最高だね」。秋山幸二監督は、快勝に満足顔で左手親指を立てるポーズを決めた。貯金を最多タイの6に戻し、交流戦優勝マジックは8。7日にもパ・リーグ首位に立つ。秋山ホークスが再び力強い進軍を始めた。