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6回表無死、左越え勝ち越し本塁打を放つ小久保選手 |
田上秀則捕手(29)と小久保裕紀内野手(37)が2試合連続のアベックアーチだ。2回に田上選手が同点2ランを放てば、6回には小久保選手が均衡を破るソロ本塁打。ともに関西出身の右打者2人が阪神ファンに冷や汗をかかせた。
まずは大阪出身の田上選手だ。先発杉内俊哉投手が2点の先制を許した直後の2回1死一塁。カウント0-2から阪神能見投手が投じたスライダーを迷わず振り切った。腰を落とすようにしてすくい上げた打球は、左中間スタンドへ一直線。「取られた分は取り返したろうと思った」と関西弁でほえた。
生まれは大阪市だが、子供のころは巨人ファン。甲子園の虎党を沈黙させ、快感とともにダイヤモンドを1周した。早くも07年の自己記録に並ぶ今季9号は、松中信彦選手に並びチームトップの本塁打数となった。
続いたのは和歌山出身の小久保選手だ。同点で迎えた6回、能見投手のフォークをとらえた打球は再び左中間フェンスを越えた。「杉内が粘って投げていたので『何とか打ったらな』と思った」。5日夜に広島市内で食べた「ホームランチャーハン」の効果を発揮?今季初の2試合連発をマークした。
9回に逆転サヨナラ負けを喫したが、2人は視線を落とすことなく引き揚げた。主将の小久保選手は「馬原クンの精神的なところが一番心配」と気づかった上で「チーム全員でカバーしあって、一つの方向にむいてやっていくしかない」と力説した。田上選手も「やられたのは仕方ない。切り替えて明日やるだけ」とショックを振り切った。頼れる関西人2人は8日の甲子園で雪辱を期す。