2009/06/17 (水)

秋山ホークス交流戦連覇!新人監督で初の栄冠

交流戦で優勝し、ファンにあいさつする秋山監督(中央手前)とナイン
交流戦で優勝し、ファンにあいさつする秋山監督(中央手前)とナイン
秋山ホークスが劇的フィニッシュで交流戦Vを飾った。延長戦にもつれ込んだ中日との総力戦。最後は代打の森本学選手が決勝打を放った。試合後に西武敗戦の報が舞い込み、苦心を重ねた秋山幸二監督に歓喜の瞬間が訪れた。新人監督としては初の交流戦制覇、3試合を残しての優勝も最速とW快挙も達成した。リーグ戦でも日本ハムに並んで首位浮上。ホークスが、リーグ制覇へも突き進む。
自軍の劇的白星から21分後だった。ホークス秋山監督のもとに西武敗戦の報が舞い込んできた。監督室で歓喜の瞬間を待つ時間は、これまで耐えてきた時間に比べれば、何てことはない。新人監督初の交流戦Vに加え、史上最速の制覇。「みんながよく戦ってくれた。一人一人が本当に頑張ってくれた」。背番号「81」が目を細め、たくましく成長したナインに視線を移した。
「今、我慢したら、この先きっといいことあるよ」。そうこぼしたのは4月上旬。多村仁志選手が右肩痛で開幕アウトとなり、松田宣浩選手が開幕戦で右手甲を骨折。主力の相継ぐ故障に、我慢強い秋山監督も頭を痛めた。現役時代、右足はく離骨折、右手人差し指じん帯断裂、頬骨骨折のケガを負ってもグラウンドでプレーしたほどの男にとっても、苦しい日々だった。4月中旬、ストレスもあって急性胃腸炎を患った。下痢、嘔吐…、体重は3キロ減った。それでも、選手の復帰を焦らせなかった。「故障していてもやらないといけないときはある。でも、今はそういう時期じゃない」。自らのエゴで選手の復帰を早めることだけは避けた。
耐えながら、蒔いた種が5月になって花を咲かせ始めた。オーティズ選手の獲得、多村選手、村松有人選手の復帰、松田選手の昇格と交流戦に合わせるかのように戦力が整ってきた。この日、村松選手が7回表に適時打を放ち、10回表には城所龍磨選手が出塁し、代打森本選手が値千金の決勝打。バックアップメンバーが大一番で活躍する戦いぶりは、選手層の厚さを物語り、まさに王者にふさわしい。
陰にあるのは、秋山スタイルの浸透。選手時代初めて日本シリーズに出場した85年(対阪神)、広岡監督のもと、敵地甲子園対策として西武球場に大音響の「六甲おろし」を鳴らしながら練習を積み重ねたことがある。また、清原氏との「AK砲」でならしたスラッガーは「清原に対する配球は全部チェックしていた」と振り返ったこともある。出塁した際、3球目までに盗塁を決めるため、だった。西武時代に培った「準備の大切さ」を、今は選手に説く。自らも試合開始の6時間も前に球場入りし、相手戦力の分析や前日の反省などに2時間近くをかける。全盛時代のように用意周到にプランした戦いが、交流戦で連敗なしという結果に表れた。
忍耐の2文字は、決してこれで終わりではないだろう。次の目標は、もちろん、シーズン制覇。この日、リーグ戦でも首位タイに浮上。「これを励みにして、また、頑張ります」。交流戦Vの喜びに浸るつもりはない。秋山ホークスの新たな挑戦が始まった。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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