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7回裏無死一塁、小笠原投手の犠打ゴロの処理で藤岡投手は味方野手の邪魔にならないようにひざまずく |
藤岡好明投手が自己最長の7回を投げ切りながら、自責点ゼロで今季初黒星を喫した。3失点はいずれも味方の失策絡み。「(野手陣は)エラーしたくてしているわけじゃない。今日はしょうがない」。悔しさを胸にしまい込み、視線を落とすことなくバスに乗り込んだ。
中継ぎから転向して5度目の先発は、胸を張れる内容だった。初回に小久保裕紀選手の失策から2点を失い、なおも1死一、二塁のピンチを迎えたが、藤井選手を外角のシンカーで併殺打に仕留めて追加点を食い止めた。大崩れはしない。「チームが負けたから…」と素直に喜べなかったが、7回を先発転向後初の無四球で投げ抜いて見せた。
秋山幸二監督は「藤岡は調子いいね」とねぎらった。先発した5試合はいずれも3失点以内で、防御率も1点台(1.94)に突入。安定感は杉内俊哉投手、ホールトン投手にも劣らない。高山郁夫投手コーチも「先発としての体力もついてきている」と成長を評価した。先発6人が必要となる交流戦後のシーズンに向けても、頼もしい存在となってきた。いつも笑みを絶やさず、先発初黒星も「全然気になりません」と言い切れる明るい男は、日に日に輝きを増している。