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練習を終え、左ひじにアイシングを施して引き揚げる松中選手 |
松中信彦選手が19日、今オフに左ひじの手術を受ける決意を明かした。今季は5月末から左ひじ痛に悩まされており、同31日中日戦を最後に守備を回避していた。松中選手は前日18日に都内の病院で検査を受け、手術を決断。残りシーズンは痛みをおしてDHでの出場を続ける。術後は3カ月前後のリハビリ期間が必要になる見通しで、来季開幕に影響を及ぼす可能性もある。それでも、まずは今季の日本一を目指してプレーに専念していく。
タカの主砲が重大決意を明かした。20日からの横浜との交流戦を控えたこの日、神奈川・横須賀市内のグラウンドで練習が行われた。その練習後、松中選手は左ひじに目をやると、意を決して口を開いた。
松中オフに手術します。覚悟は決めました。
苦渋の決断だった。左ひじは95、02年と2度の手術を経験。今季も5月末から古傷に痛みを感じ始め、同31日の中日戦を最後に守備を回避。セ球団の本拠地での試合では、DH制がないため先発出場できない状況が続いていた。前日18日には95年に手術を受けた都内の病院に出向き、当時の執刀医に相談。「(交流戦で)毎年、ビジターのたびに補欠というわけにもいかない」と、手術に踏み切る決意を固めた。
松中選手によると、左ひじ外側の骨が変形してできたトゲ状の突起2本が痛みを引き起こしているという。この日は軽めのキャッチボールを行ったが「痛いわ、やっぱり。ひじが使えていない」と数分で切り上げ、秋山幸二監督も「なかなか良くならないみたいだね」と心配していた。
手術では左ひじを約5センチ切開して、突起部分を削ることになる。ほかにも、ひじを通る神経が圧迫されることによる指のしびれを訴えているが、医師には「全部治すと(リハビリに)1年かかる」と言われ「1年もかかったら選手生命が終わってしまう」と必要最低限の手術を選んだという。
手術時期については「チームの状況による」と説明しており、早くても10月後半になる見通しだ。日本シリーズ出場の場合は11月中旬まで手術がずれ込む可能性がある。術後は3カ月前後のリハビリ期間を要する見込み。手術時期や回復が遅れれば、来季開幕に間に合わない可能性もあるが「シーズン(開幕)を逆算してやる」と強調した。
今季の残り試合は、関節の潤滑油となるヒアルロン酸の注射などの応急処置を施し、痛みをおして強行出場する。20日からの横浜戦は代打出場となる見込みで、リーグ戦再開以降もDHに専念することになる。「出る以上は結果を出さないと。(痛みを)言い訳にはしない」。まずは今季に意識を集中。ボールは投げられなくとも、チームの優勝へ“全力投球"で貢献する覚悟だ。