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4回表無死、右越え本塁打を放つ長谷川選手 |
驚異の下位打線は梅雨知らずだ。横浜の夜空にアーチ6本を描いた初戦に続き、この日も3本。6番長谷川勇也外野手と7番松田宣浩内野手による連続アーチが勝負を決めた。
3点リードの4回だった。先頭長谷川選手が横浜三浦投手から放った打球は、右翼場外へと消え去る6号ソロ。「これだと思った球を思い切り打った」と141km/hをバットの芯(しん)でとらえた。「場外は初めて。やっちゃいました」。試合後は思わずほおが緩んだ。「多村さんでもスタンド上段の看板までらしいので、うれしい」。ハマの大砲として04年に40発を記録した多村仁志選手を超えるアーチに自信を深めた。飛距離と同時にチームトップの打率3割3分8厘も保っており、存在感は試合ごとに大きくなる。
長谷川選手に刺激された松田選手が直後に左中間へ4号ソロ。「いい打球を見せられていたので。自分のは大した打球じゃないですけど」。言葉は控えめながら、交流戦途中で右手骨折から復活し12試合4発と3試合に1本のペースを続ける。横浜2連戦は6、7番で都合5発。相手投手にとってはクリーンアップを抑えても、また強打者が連なる打線は脅威にほかならない。
4打数無安打だった4番小久保裕紀選手が自虐的コメントを挟みながら打線を表現する。「クリーンアップが二つ?おれもそう思っているんだよね。(リーグ戦再開で)DH制になったら信彦(松中)も出るし、あとはおれ次第。おれが打てば楽に勝てるよ」。本塁打は松中信彦選手が9本、小久保選手が7本と頼りのMK砲に本来の威力が出ていない中、交流戦で放った本塁打32は巨人と並んでトップ。秋山監督は「打線に関してはどこからでも点が取れる。下位打線からでもね」とこの1ヶ月で大きな手応えをつかんだ。