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試合前にメンバー交換し、笑顔であいさつする西武渡辺監督(左)と秋山監督 |
交流戦王者がまさかの大敗だ。ホークスは西武に今季2度目の2ケタ失点を喫し、リーグ再開初戦を5年目で初めて落とした。西武涌井投手の前に打線が沈黙。交流戦(24試合)中の、先制すれば14勝1敗1分けという先行逃げ切りの必勝パターンに持ち込めなかった。一昨年は再開初戦に勝利した後1分け4敗、昨年は同7連敗と失速。「鬼門」となる27日の第2戦には、エース杉内俊哉投手をぶつけ再ダッシュをかける。
ホークスが西武の返り討ちにあった。交流戦王者として満を持して迎えたリーグ再開初戦。あまりの負け方で秋山幸二監督もむしろ冷静でいられた。「久しぶりにこんな試合したなあ」。8回まで西武涌井投手の前に1点を挙げるのがやっと。反対側のスコアボードには10点分の数字が並んだ。
涌井投手の緩急をつけた組み立てに打線が苦戦。ようやく出たオーティズ選手の適時打も、試合がほぼ決した9点差の6回だった。秋山監督は「今日は涌井を楽にさせてしまった」と主導権を相手に譲る展開を悔やんだ。
連覇した交流戦では24試合の3分の2にあたる16試合で先制し、14勝1敗1分け。12試合が打者が一巡する3回までに先制する「速攻」を繰り返し、先発投手を楽にした。さらに7回以降に3人そろい踏みすれば10勝1敗1分けの救援トリオ「SBM(攝津、ファルケンボーグ、馬原)」が控えており、「先行逃げ切り」は好サイクルを生んだ。ただこの日は必勝パターンと正反対の戦いになった。
交流戦5年目で初めて再開初戦を落とし、リーグ首位から1試合で陥落した。一昨年は再開2戦目から1引き分け後に4連敗。昨年は2戦目から7連敗と再ダッシュ失敗で借金生活に逆戻りした。「鬼門」を1日前倒しするような黒星だが、最終回には2番手山本淳投手から5連打で3点を返した。交流戦打率1割8分1厘だった主将の小久保裕紀選手も1カ月ぶりに猛打賞をマーク。秋山監督は「明日につながる。最後はきっちりいけていた」と明るい材料を見つけ、仕切り直しを強調していた。