 |
7回表、松中選手は右越え2点本塁打を放ち、天を指さすポーズで生還 |
松中信彦選手が今季最長ブランク、39日ぶりにアーチを描いた。1点を追う7回。1死から中前打で出塁したオーティズ選手を一塁に置いて、主砲が目覚めた。直前に直球をファウルし、カウント2-2。西武2番手星野投手の5球目だった。
「普通ならスライダーでしょうがね。追い込まれていたから直球と両方待っていた」
捕手は外角にミットを構えたが、2球連続の直球が真ん中高めへに入った。平成唯一の3冠王、百戦錬磨の松中選手が失投を見逃すはずがなかった。5月20日阪神戦(ヤフードーム)以来となる、10号2ランが右翼席に吸い込まれた。一塁を回ると、珍しく右手でガッツポーズ。本塁では出迎えた“本家”と一緒に両手人さし指を突き上げる「オー様ポーズ」を決めた。
「本塁打を打ってホセ(オーティズ)が出迎えてくれたらやろうと思った。僕は(ここまで)打ってなかったけど、みんなやっていたので…」
今やチームのお約束となりつつあるポーズをようやくできた。裏返せばそれだけブランクがあった。松中選手は「次はやりませんから」といたずらっぽく笑った。
左ひじ痛でスローイングができず、交流戦後半12試合のうち先発したのはDH制のある4試合のみ。代打要員でベンチ裏で時間を持て余すときもあった。4番として再開したリーグ戦で結果を出したかった。8回に同点に追いつかれ、ヒーローになりそこねたが、松中選手の一撃がなければこの結末はなかったかもしれない。「勝てるというのはチームとしてすごくいい」。4番打者はそんなことはおくびにも出さず、球場を離れた。11年連続の2ケタ本塁打。やはりタカの主砲はこの男だ。