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4回表1死一塁、中越え2点本塁打を放った多村選手(中央)を笑顔で出迎えるホークスナイン |
大阪でタカ祭だ。ホークスが今季最多18安打15得点の猛攻でオリックスを粉砕した。初回。先発光原投手に1アウトしか与えない「秒殺KO」。この回打者10人で一挙6点を入れて試合を決めた。3打数3安打3打点の多村仁志外野手(32)ら3人が猛打賞をマーク。6番以下で11打点と下位打線のパワーが光った。貯金も今季最多の14となった。
どこまでも続く攻撃に京セラドームをタカ党の歓声が占拠した。初回だ。乱調の光原投手を「秒殺」にした。2四球と野選で無死満塁のチャンスでまずは松中信彦選手が先制の2点タイムリー。得点ショーの口火を切った。1死からは多村選手も適時打。長谷川勇也選手が四球を選んだ時点でオリックスはタオルを投げ込んだ。開始わずか20分、1アウトしか与えず相手先発をKOだ。この回結局31分間をかけ、打者10人で6点を奪って試合を決めた。
一方的な展開にも首位チームに慢心はない。3回に松田宣浩選手のソロ、4回は多村選手が9号2ランと中盤は一発攻勢で加点。2ケタ得点に到達すると、チーム好調の陰で出番の減っていた控え組が登場。8、9回は城所龍磨選手、中西健太選手、森本学選手ら途中出場組にも快音が生まれた。大量リードが今後に向けた貴重な「労働機会」を創出した。
18安打15得点はいずれも今季最多。3打数3安打3打点の多村選手が振り返る。「油断せず? そうです。ずっとイケイケでした。個々の役割分担をしっかりやれている。久しぶりに試合に出た人も結果を出したのは試合に集中している証拠ですよ」。本多雄一選手と川崎宗則選手の1、2番コンビは2盗塁ずつ。大量点に隠れてしまいそうだが、細かい野球を粘り強くできるのもチームの持ち味だ。
猛打賞は多村選手、松田選手、田上秀則選手と3人がマーク。6番多村選手以降で11打点を稼ぎ出した。いずれも1発のある長距離タイプ。上位に負けない重量感ある下位打線が今の躍進を支えている。田上選手は球宴に選出されるまで成長。「とにかくつなげる気持ちでやっています」と謙虚にバットを振り続ける。
これでシーズン半分となる72試合を消化。貯金は今季最多の14にまで膨らんだ。大阪で祭りのような打線爆発。そして10日に伝統の祭「博多祇園山笠」で盛り上がる福岡に舞い戻る。今度は本拠地での本当のタカ祭をやってみせる。