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6回表2死一、二塁、杉内投手は小谷野選手に逆転の2点適時三塁打を浴びる |
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6回表に3失点し逆転を許した杉内投手は悔しそうに汗をぬぐいながらベンチに戻る |
首位ソフトバンクが実に43試合ぶりとなる連敗を喫した。今季チーム最多の9勝を挙げ、自己最多タイの7連勝中だった杉内俊哉投手でまさかの逆転負けを喫した。背筋痛による登板回避から中11日で臨んだ日本ハムとの首位攻防戦第3戦。7回3安打ながら自己ワースト6四球と制球が乱れ、6回に3失点して逆転を許した。球宴前の9連戦最初のカードを2ヶ月ぶりに負け越し、2位日本ハムに0.5差に迫られた。
決してありがたくはない、懐かしい感触がよみがえった。5月12~13日のロッテ戦を最後に拒み続けたソフトバンクの連敗。それも杉内をぶつけての逆転負けだから後味が悪い。秋山監督は「残念」と言って会見を切り出した。
秋山監督「杉内は間が空いたわりにそれなりの投球をしてくれた。あの回だけだった。四球? 少し力みがあったのかもしれない。ハムもワンチャンスをものにする力を持っていたな。」
6回の逆転シーンが脳裏に浮かび上がった。杉内投手は森本選手へ四球を与え、初めて先頭打者を出した。稲葉選手が3年ぶりの犠打を決め、日本ハムも勝負にきた。しかし2死二塁でスレッジ選手も歩かせてしまうと、小谷野選手にタイムリー三塁打。続く糸井の二ゴロはタイムリー失策となり、3失点。打線が1点を先制した直後とあってダメージは大きかった。
6回以外は要所を締める投球だったが、4回までに3四球と危険信号は出ていた。高山投手コーチは「ゲームはしっかりつくってくれた」と先発の職務遂行に敬意を表しつつ、「彼のレベルで先頭打者に四球というのはあまりない。少し間隔が空いた影響があったと思う」とかばった。
8日のブルペン投球後に背中痛を訴え、10日楽天戦を回避。中11日と休養十分で、首位攻防戦の第3ラウンドを任されただけに杉内投手は「もったいなかった」と自分の非を認めた。7回3安打ながら自己ワーストの6四球が響き、今季2敗目。自己新記録の8連勝も逃した。「先発するからには全部自分の責任」と日ごろから言い張る男は「調子? 悪くはなかった。久しぶり? 別に何ともなかった」と不調説を一蹴し、言い訳をしなかった。
「無連敗」記録は球団の福岡移転後最長の42試合で止まったが、チームの勢いまで止めるわけにいかない。9連戦最初のカードは2ヶ月ぶりに負け越し。2位日本ハムに0.5ゲーム差に迫られた。秋山監督は「また引き締めて明日からだな」と球場を後にした。負けを引きずらない、切り替えの早さはこの2ヶ月で十分、身に着けたはずだ。