6回裏1死満塁、小久保選手の右前打で三走川崎選手に続き二走オーティズ選手が本塁を狙うもタッチアウトとなる。捕手中谷選手

ホークスが楽天の「天敵攻め」に屈した。打線は苦手とする先発永井投手を打ち崩せず、6回まで2得点。オーティズ選手の走塁ミスも加わり、苦手右腕に4勝目の白星を献上。9回は2年越しで33イニング無得点中の田中投手に、1年ぶりのセーブを挙げられてしまった。球宴前ラストの9連戦は、これで2勝5敗で負け越し決定。故障者続出の苦しいチーム状況の中、秋山ホークスが正念場を迎えた。

「鷹の祭典」は「野村劇場」にジャックされた。ホークスが来場者全員にレプリカユニフォームを配布する一大イベントで、まさかの「天敵締め」にあった。

1点を追う9回裏。楽天田中投手がコールされた瞬間、今季最多の3万6,239人が詰めかけたヤフードームが、どよめきと歓声に包まれた。多村仁志選手が三ゴロに仕留められると、長谷川勇也選手、田上秀則選手が連続三振。秋山幸二監督も「まさか、投げてくるとは思わなかった。それだけマー君は元気なんだろう」と予想していなかった一手で、白星への芽は摘み取られた。

対田中投手には08年9月11日の初回に得点したのを最後に、2年越しで継続している連続無得点イニングが「34」に。ただ、この日は田中投手だけではなかった。苦手中の苦手にしている右腕へつないだのも、もう一人の「天敵」だった。

打線は先発永井投手の前に、6回2得点に封じられた。5回裏には無死二塁から三者連続三振。これで永井投手には今季5試合対戦して、4勝を献上、一度も土をつけていない。

しかも、天敵相手にミスも出れば、勝機が遠のくのも当然。6回裏。1点を返し、なおも1死満塁の場面。主将小久保裕紀選手が右中間へ放った一打で、二塁走者のオーティズ選手が判断ミス。中堅の鉄平選手に捕球されると思ったオーティズ選手は二塁ベースに戻り、タッチアップに備えた。が、打球は右中間にポトリ。スタートが遅れたオーティズ選手は三本間に挟まれ、最後は本塁憤死。大事には至らなかったが、脇腹を強打し、負傷交代してしまった。

チームは正念場の9連戦で2勝5敗と負け越し決定。楽天戦5勝7敗と苦手球団の存在もあって、パ相手には28勝29敗1分と黒星が先行した。秋山監督は「（永井攻略の）ワンチャンスはあったが、走塁ミスが出たからな。これ以上、ケガ人が出たら困るんだよ。あと、2試合。前半2試合。何とか頑張らないとな」と声を振り絞った。首位日本ハムとは、わずか1ゲーム差だ。まずは、21日、3カード連続負け越し阻止へ、全力で白星を奪いに行くしかない。