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小久保選手を笑顔で出迎える杉内投手 |
エース杉内俊哉投手が4度目の正直で、3年連続2ケタ勝利を手にした。西武打線を相手に7回3安打無失点。前回先発(2日、日本ハム戦)で5回 2/3KOされるなど、10勝目前で3度足踏みしていた左腕は「10という数字の中で、長く感じたかもしれないけど、うれしいよ」と大台到達を素直に喜んだ。
1ヶ月以上白星から遠ざかっていても、冷静だった。最初のピンチは3回。安打と四死球で1死満塁の場面。打席に3番中島選手を迎えた。カウント1-1から、外角へ逃げるチェンジアップを打たせ二ゴロ。併殺を完成させた。「チェンジアップが有効に使えたね。あの0点が大きかった」と左腕。その後も集中力を切らさず7個の0を並べてみせた。
「不動心」でつかんだ10勝目だ。7月4日完投勝利して以降、勝てなくなった。07年8月以来となる2試合連続イニング途中でのKOも経験。本人は決して口にしないが、高山郁夫投手コーチが「下痢」を明かすなど、体調不良の影響もあった。この日も左ふくらはぎをつらせながらの力投だった。体重移動がスムーズに行えていることを示す「吉兆」ではあるが、脱水症状を起こしやすい厳しい状況下での投球を示してもいた。
02年の入団以来、07年まで1年おきに2ケタ勝利した左腕は「隔年投手」と、やゆされた。しかしそれはもう過去の話。通算勝利数は同じ左腕の和田毅投手を抜く74勝となった。チーム現役最多、斉藤和巳投手の79勝も視界に入ってきた。逆転優勝に導いて、杉内投手が名実ともに、真のエースとなってみせる。