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秋山監督は小久保選手の二塁アウトの判定を巡り佐藤二塁塁審に激しく抗議する |
秋山幸二監督がブチ切れた!楽天に2連敗。怒りの矛先はジャッジに向いた。初回2死満塁から多村仁志選手の遊ゴロで一塁走者の小久保裕紀選手が二塁へ滑り込み、楽々セーフと思われたが判定はアウト。秋山監督の5分近い抗議でも覆らず、「準完全男」の先発藤原投手を攻略するチャンスと逸し、試合の流れを失った。首位日本ハムとのゲーム差は5のままだが、3位西武に4.5差に迫られた。
初回2死満塁。5日オリックス戦で準完全試合を達成したばかりの藤原投手が2四球と不安定だった。ホークスはルーキー左腕を攻略する絶好の場面で予期せぬ「先制パンチ」を浴びた。
多村選手のゴロは三遊間に転がり、ショート渡辺直選手も難しい送球だった。一塁走者の小久保選手は右足から滑り込み、タイミングは十分セーフに見えた。両手を開いてセーフのポーズを決め、ベンチは“先制点”に沸いたが、二塁の佐藤塁審の右手だけがアウトを告げていた。小久保選手はヘルメットと手袋と投げつけ、秋山監督も顔を紅潮させて審判団に詰め寄った。腕組みしながら遅延行為とされる制限時間の5分間いっぱいに猛烈な抗議をかました。
秋山監督「あんなド素人では困る。イージーミスだよ。草野球の審判じゃないんだから。あそこで1点取ってまだ2死満塁。始まってすぐあんなんじゃ流れが変わるよ」
この疑惑の判定は覆らず、主導権を取り損ねた打線は7回まで投げた藤原投手から犠飛で1点しか奪えず、楽天に連敗。ナインの怒りは判定に向いた。
小久保選手「プロじゃないですよ。(滑り込んで)ひざを曲げて立ち上がる瞬間にパシッと(二塁手のグラブの)音がした。初回がチャンスと思っているのにあんなことで出鼻をくじかれると、やっぱり流れが悪くなる。間一髪じゃないし、100人いたら100人がセーフ。もう少しで(審判に)突っかかるところでした。抑えましたけど」
丁寧な口調だが、主将の声は怒りに震えていた。さらに楽天野村監督も「あれはだれが見てもセーフだ」と擁護する発言があった。
もちろん打線に19イニング連続で適時打が出ておらず、楽天ラズナー投手、巨人ゴンザレス投手に続いて今季3度目となる先発の「初もの」攻略はできなかった。流れをもう1度奪い返すたくましさもなかったのは事実。それでもあまりに後味が悪い。ついに首位日本ハムより背後の西武とのゲーム差が近くなった。13日は今季4連敗を喫している楽天永井投手が相手。ここで流れを断ち切らないと、負のスパイラルに突入してしまいそうだ。