2009/08/17 (月)

松中選手、通算9本目のグランドスラムで窮地を救う

6回表2死満塁、右越え満塁本塁打を放つ松中選手
6回表2死満塁、右越え満塁本塁打を放つ松中選手
頼れる主砲が、窮地を救った。松中信彦外野手が、6回に通算9本目となるグランドスラムを放ち、オリックスを粉砕した。負ければ今季初の同一カード3連敗という危機での渾身の一打だった。3ヶ月ぶりにスタメン落ちした田上秀則捕手も発奮の16号2ランを放つなど、打線が15安打9得点での快勝。首位日本ハムが勝ち、7ゲーム差は変わらないが、秋山ホークスが逆転優勝へ、望みをつないだ。

逆転Vへの希望を乗せた打球は、右翼席最上段へと飛び込んだ。松中選手は打った瞬間、通算9本目のグランドスラムを確信した。6回表、リードを2点に広げ、なおも2死満塁でオリックス清水投手のシュートをとらえたひと振り。「完璧でした。よく飛んでくれた」。自画自賛の言葉がもれるほど、最高の手応えだった。

「今日は絶対に負けられなかった」。負ければ、今季初の同一カード3連敗が待ち受けていた。チームは前夜まで2試合連続で長打がなく連敗。責任感の強い男だけに、うっ憤を晴らす豪快な一打で喜びは倍加した。

巧みな技術が快挙を呼ぶ。満塁弾9本はパ・リーグ歴代5位タイ。通算437本塁打の秋山幸二監督に並んだ。芯のわずか手前でとらえるバットコントロールだけでなく、下半身にも打球を飛ばす秘訣がある。一度投手方向にまっすぐ踏み込んだ右足を、インパクトの瞬間に一塁側へ開く「二段ステップ」で打球に勢いを与える。この日も内角寄りのシュートに対応。秋山監督が「内角をさばくのは今の球界で一番」と表現するスラッガーらしいアーチ。尊敬する指揮官と肩を並べたことを知らされた松中選手は「ありがとうございます。超えられるように頑張ります」と声を弾ませた。

自らの今季20号の直前、勝ち越し打は「弟子」が放っていた。6回表1死満塁の場面で、秋山監督は代打小斉選手を送った。グアム自主トレにも帯同する弟分は、殊勲の二塁内野安打をマークしていた。松中選手は球団広報からヒーローインタビューを打診されても「今日は小斉にしてくれ」と晴れ舞台を譲った。

今季から始めた「マングローブチャリティー」(1本塁打につき、1,000本分の苗木代を寄付)の最低ノルマ20本塁打も、しっかりクリア。試合後はチームよりも一足早く球場を離れ、腎臓の病気を患っている次男のもとへ急いだ。

チームは今季最長の9泊10日のロードを4勝5敗。首位日本ハムとは7ゲーム差だが、なんとか望みをつないだまま地元福岡に戻った。「これからは1試合1試合が大事になっていく」と松中選手。逆転優勝に何より必要なのは、松中選手のバットに違いない。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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