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7回裏に2失点し降板する三瀬投手 |
1分けを挟んで今季最多の4連敗だ。首位日本ハムとの直接対決第2ラウンド。3-3で迎えた7回に2番手で登板した三瀬幸司投手がスレッジ選手に決勝の2点タイムリーを浴びた。左打者との対戦をにらんだ判断が結果的に裏目に出て、秋山幸二監督は自らの責任とした。勝利の方程式「SBM」がそろわないリリーフ事情が影響した。これで首位と6・5ゲーム差に広がった。
北の大地で食らった連敗で日本ハムの背中はさらに遠ざかった。1度は同点に追いつきながら、その努力をフイにした黒星。後半戦に入って日本ハムに4度も3ゲーム差に迫りながら後退してしまう、今のチームを物語るようでもあった。
試合直後、緊急の全体ミーティングを終えた秋山監督は疲れた表情で移動バスに向かった。歩みを2度止めながら、触れられたくない7回の継投シーンについて重い口を開いた。そして不発に終わった采配に正面から向き合った。
「(三瀬は)今後の課題としてやっていかないとね。あそこはいろんな考えがあると思うが、使ったこちらが悪いんだ」
打線が3点差を追い上げ、ベンチは2番手として三瀬投手をマウンドに送り込んだ。高山郁夫投手コーチは「球数がね」と、119球に達していたホールトン投手続投を選択肢から外した。日本ハムの打順は1番田中選手から坪井選手、稲葉選手と左打者が3人。前日28日に稲葉選手を抑えていた左腕に白羽の矢を立てた。
しかし、この日は期待に応えられない。田中選手にいきなり四球と不安定な投球で2死二塁となりベンチは右の高橋選手を敬遠。左のスレッジ選手との勝負を選択したが、真ん中のスライダーをはじき返され、中越えの2点タイムリーで勝ち越された。「慎重だったというわけではなかったのですが…」。うなだれた三瀬は2点ビハインドで水田章雄投手と交代となった。
ファルケンボーグ投手が右ひじ検査とリハビリのため米国へ帰国中。攝津正投手、馬原孝浩投手とともにフル稼働してきた勝利の方程式「SBM」の欠けた1ピースを総力で埋める作業が続く。強力セットアッパーが登録抹消された20日以降は水田投手が主に代役を務めている。この日は7回を三瀬投手で乗り切れば8回水田投手、延長をにらんで摂津投手、馬原投手を2イニングずつ投入する青写真もあったはず。すべては7回で狂った。
1分けを挟んで4連敗は今季ワースト。先週は日本ハムを3タテしながら今は6・5ゲーム差と逆噴射の状態だ。秋山監督は「明日、明日だよ」と気持ちを切り替えた。敗戦を引きずるひまはないが、逆転Vにはこの先、1個の黒星が重い足かせになるのは事実である。