2009/08/31 (月)

秋山監督、執念采配で連敗ストップ

6回裏無死一塁、小谷野選手の犠打を田上選手が失策したプレーについて、守備妨害ではないかと抗議する秋山監督
6回裏無死一塁、小谷野選手の犠打を田上選手が失策したプレーについて、守備妨害ではないかと抗議する秋山監督
執念采配で連敗ストップだ。ホークスが逆転で首位日本ハムを下した。1-2の6回無死一塁。送りバントを試みた日本ハム小谷野選手が小飛球を打ち上げた。ダイレクト捕球を狙った田上秀則捕手が小谷野選手と交錯し、記録は犠打エラー。このプレーを小谷野選手の守備妨害と判断した秋山幸二監督は、怒りの抗議をかました。これで士気が上がったチームは8回に多村仁志外野手らの犠飛2本で逆転。連敗を4で止め、再び5.5ゲーム差に戻した。

背番号81が試合の流れを変えた。「秋山~、時間稼ぎはやめろ~」。日本ハムファンのやじが降り注ぐ中、秋山監督は口角泡を飛ばしながら飯塚球審にかみついた。

6回裏無死一塁。日本ハム小谷野選手の送りバントは本塁前の小フライとなり、捕手の田上選手は「ノーバウンドで捕りたかった」とダッシュしたが、小谷野選手が一瞬立ち止まってから一塁へ向かったため、交錯する形となった。田上選手は小谷野選手を押しのけながら落下地点に向かったが、間に合わず、記録は犠打エラーとなった。

これに秋山監督は「守備妨害じゃないか」と田上選手のプレーを体で再現しながら猛抗議。遅延行為で退場となる5分ぎりぎりまで抗議を続けた。

無死一、二塁でプレー再開後、送りバントをした二岡選手が一塁へ駆けだした際、田上選手とまたも交錯した。飯塚球審はすぐに守備妨害で打者走者の二岡選手にアウトを宣告した。

今度は梨田監督がおさまらなかった。こちらの抗議は5分を超え、遅延行為と見なされて退場処分となった。

指揮官同士のつばぜり合い。まず、火を付けた秋山監督の戦う姿勢を目にして、ナインのモチベーションはがぜん高まった。8回だ。先頭の森本学選手が右越えの三塁打で出塁し、本多雄一選手の犠飛で同点。なお1死二、三塁の場面で、小久保裕紀選手に対して日本ハムはカウント1-1から敬遠策をとった。これで多村選手が燃えないわけがない。4番手江尻投手の149km/h直球をきっちりとライトへの犠飛とした。「敬遠に燃えた?普通です。あそこで1点取れば勝てる。最低犠飛と思った」。決勝犠飛を打ち上げた後も、ベンチでのハイタッチでは一切笑顔を見せなかった。敬遠策に、胸の内で静かに怒っていた。

現役時代の秋山監督は相手投手に心中を悟られないよう感情を殺した。ただ立場がチームを束ねる監督となれば別。一挙手一頭足をナインは見ている。1試合も落とせない瀬戸際でみせたパフォーマンスで、チームを鼓舞することに成功した。

本拠地での前回対決で3連勝した相手に危うく3連敗されそうだったが、23日以来、1週間ぶりの勝利で連敗を4(1分け挟む)で止めた。ベンチ裏の通路では裏方スタッフやリリーフ陣がナインをハイタッチで出迎え、「久しぶり~」という叫び声がこだました。1人、秋山監督は「疲れたよ」と淡々としていたが、抗議について聞かれると、ニッと笑って移動バスに乗り込んだ。

首位とはまだ5.5ゲーム差。そして残りは30試合。奇跡の逆転Vストーリーがあるとするならば、この日が序章になるはずだ。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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