7回裏1死一塁､川崎選手の打席､一塁走者本多選手はこの試合3個目の盗塁を決める｡野手は山崎浩選手

本多雄一内野手が自身初の1試合3盗塁を決めて40盗塁に王手をかけた。真骨頂は左前打で出塁した3-3の5回だ。川崎宗則選手の初球に二盗を決めると、犠打で三塁へ。オーティズ選手のレフトへの打球は浅かったが、問題にすることなく犠飛とした。寸分の狂いもないタッチアップから決勝のホームを陥れた。

四球で出塁した初回と合わせ、初対戦のオリックス伊原投手からこの時点で今季8度目のマルチスチール。「ビデオを見たらクイックが早いと思ったけど、リードを目いっぱい取ればチャンスがあると」。左投手相手のリードは左足を一塁アンツーカーの外に出す。慣れた本拠地の感覚を最大限に生かした。

盗塁1個につきバナナ1ケースを出身の福岡県大野城市内の施設にプレゼントする「盗塁職人」の仕事は終わらない。7回1死ではバント安打で出塁し、香月投手のしつこいけん制をしのいで二盗。滑り込んだ際に山崎浩選手の左足キックをアゴに食らい試合後も赤く跡が残ったが、自身初の3盗塁の勲章と思えば痛くない。

2位の川崎選手、西武片岡選手に2差をつけるリーグ最多の39盗塁。「あまり言わないで」と照れるが「40盗塁？いけると思いますが、まずは全力で走ること」と自信はある。7回の守りでは坂口選手の打球を華麗なダイビングキャッチで仕留めるなど、走攻守で存在感を光らせた1日だった。