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9回裏1死一、二塁、川崎選手は右翼線適時二塁打を放つ |
川崎宗則選手と本多雄一選手の「快足コンビ」が大暴れだ。打撃不振に悩む川崎選手が9回に逆転劇の口火を切る適時二塁打を放てば、本多選手も5回に自己初の大台となる40盗塁を達成。頼れる1、2番が存在感を見せた。
川崎選手のバットから、火の出るような打球が飛び出した。2-4の9回1死一、二塁。カウント1-3から大沼投手が投じた内角低めの直球を振り抜いた。右翼線を痛烈に破る適時二塁打。「ヒットになってよかった」。1点を返してなお二、三塁とサヨナラの好機をおぜん立てした。最後は小久保裕紀選手の適時打で逆転のホームイン。何度もこぶしを握りしめ、喜びを爆発させた。
川崎選手「勢いがつくね。いいゲーム。キャプテン(小久保)もホセ(オーティズ)もよく打ってくれた。」
ホークスの元気印が、必死にもがいて結果を出した。打率は2割5分台に低迷。顔には出さなくても四六時中、不振脱出のカギを探していた。最近では立ち寄ったコンビニでも鏡を見てフォームを確認するほど。前日3日も試合後のベンチ裏で約150球のティー打撃を行う姿があった。陰の努力が、土壇場で実った。
1番本多選手も負けてはいない。初回に二塁打を放って12試合連続安打とすると、5回には二盗に成功して40盗塁を達成。ライバル西武片岡選手の目の前で差を広げ「うれしいけど、まだ上を目指していきたい」と気合を入れ直した。7回には盗塁死も喫したが、9回は1死一塁の場面で9球粘った末に四球を選び、チャンスを広げた。川崎選手も「ポンが調子良くて(粘ることで相手投手の)ボールを多く見せてくれた。それがヒットにつながった」と感謝した。盗塁王を争う間柄でもある快足2人は、二人三脚でチームを引っ張っていく。