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9回からマウンドに上がった攝津投手は、無失点に抑える |
攝津正投手が、今季62試合目の登板で06年に同僚の藤岡好明投手がマークしたパ・リーグ新人最多登板記録に並んだ。「あんまり実感はない」。チームの4連敗に笑顔はなかったが、記録到達にふさわしい投球をこの日も見せた。
9回表、ヤフードームの歓声が最高潮に達した。「ピッチャー、攝津」。この日は1点差まで追い上げた直後の登板。いつも通りのクールな表情でマウンドへ。「1点差になったら行くぞ、と言われていたので準備はできていた」と打者に向かった。
疲労などまったく感じさせない。先頭リンデン選手を144km/hの外角低めいっぱいの直球で空振り三振。中谷選手は歩かせたものの、代打セギノール選手を空振り三振、渡辺直選手を右飛に打ち取った。抜群の制球力とキレ。「いつも通り投げられた」。リズムよく最終回の味方の攻撃につなげるという仕事を淡々とこなした。
「どれくらい投げたら、すごいとか分からない」と自身の記録には無関心な右腕。それでもトークショーなどで「ライバルは藤岡」と公言する。3年前に同じポジションを経験している24歳の藤岡投手には、ブルペンでの心構えなどの助言を受けた。信頼関係があるからこそ言えた「ライバル」に早々と並んだ。
球団記録69試合登板(59年杉浦忠、00年吉田修司)もすぐそこ。プロ野球新人記録の71試合(42年林安夫=朝日)を更新すれば67年ぶりの快挙だ。残り19試合。「疲れとか言ってられる状況じゃない」。スーパールーキーが逆転Vだけを見ている。