1軍に合流する松田選手はマスク姿で移動する

2軍で顔を真っ黒に日焼けした松田宣浩選手がJR博多駅に登場した。右手首を骨折した7月18日ロッテ戦以来となる1軍合流。「代打になるか、どうなるか分かりませんが、チームのプラスになることしか考えていません」。短い言葉で意気込みを示すと新幹線に飛び乗った。神戸市内の宿舎に立ち寄り、滋賀県草津市に向かった。実家で家族と親せきが開いてくれた前祝いに顔を出し、復帰戦前の儀式をすべて終えた。

この日秋山幸二監督は「（先発かどうかは）向こうに行って様子を見て決める。見てから」と慎重だったが、左足甲打撲の多村仁志選手について「足はだいぶ良くなっているようだが右肩の方がな。投げるのがどうか」とも話した。右肩痛を抱える多村選手を代打要員としてスタンバイ、ここまで主に三塁だったオーティズ選手を左翼で起用すれば、サード松田選手の先発復帰が見えてくる。打順は8番が有力視される。

後半戦最長の9連戦を前にようやくコマがそろった。指揮官は「残り18試合か。先のことを考えず、1試合1試合、目の前の試合を戦っていくしかない」と静かに語った。奇跡の逆転Vストーリーはここからヤマ場を迎える。