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5回表1死一塁、オーティズ選手は2点本塁打を放ち得意のポーズで生還 |
黒星の中で1本のアーチが輝いた。オーティズ選手が23試合、96打席ぶりとなる17号2ランを放った。5回2死一塁。それまでオリックス伊原投手に無安打投球を許していたが、カウント0―1から外寄りの直球を完ぺきにたたいた。「打球を目で追いながらスタンドに入ってくれることを祈っていたよ」。ギリギリで右翼席前列に飛びむ込2ラン。ホームインすると天を指さし、神へ感謝の気持ちをささげた。
オーティズ選手にとって今季最長ブランクでの本塁打。3回の第1打席で遊ゴロに打ち取られ、この打席でバットを黒からオレンジ色に変えた。同じ重さ880グラム前後ながら先端部がやや太め。「こっちの方がヘビー。強く打ちたい時はこれなんだ」。チームは相手左腕攻略に苦戦していた。何とか流れを変えたいという思いで手にした1本。遠心力を効かせ、十分に走らせたヘッドに外寄り直球はおあつらえ向きだった。
もっともサヨナラ負けとあって笑顔を浮かべることはなかった。「勝ったら喜べたけどね。これがベースボールさ」。ありのままの現実を受け入れ、頭を残り15試合へと切り替えた。