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1回、川崎選手は二塁盗塁を決める |
勇気を持って一歩を踏み出した先に、大きな喜びが待っていた。川崎宗則選手がシーズン自己最多に並ぶ42盗塁で、勝利への扉をこじ開けた。初回だ。1死から中前安打で出塁すると、次打者オーティズ選手へのカウント1-0の2球目にスタート。完全にロッテ小林宏選手のモーションを盗み、捕手里崎選手には送球をあきらめさせた。「コック(小久保)さんのおかげですよ」と川崎選手。4番小久保裕紀選手の中前安打で先制のホームを踏んだ。
失敗の恐さはある。それでも、踏み出さなければ、成功はない。この日の試合前、関係者に「50盗塁している選手もけっこう盗塁失敗は多い」と話す川崎選手がいた。左足を芝生とアンツーカーの境目にかける、リードの大きさはいつも通り。前日20日の初回、本多雄一選手との「40盗塁コンビ」の連続盗塁失敗で流れを逸していたが、そのマイナスイメージを見事に乗り越えた。
(川崎選手)「いつも失敗してるからね、俺。昨日のことは忘れたよ。」
リーグ単独トップに立つ42盗塁目。自身の盗塁失敗15に対し、タイトルを争う41盗塁の本多選手は失敗10、40盗塁の西武片岡選手は失敗11。過去の失敗を笑って流せるのも、気持ちの切り替えができているあかしだ。
2点目はバットで貢献した。2回1死満塁で左犠飛。秋山幸二監督も積極的な川崎選手の活躍に目を細めた。「いいスタートを切ったし、犠牲フライも大きかった」。秋山ホークス奇跡の逆転Vも、積極的な気持ちがなければ、達成できないはずだ。