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8回表2死満塁、南を空振り三振に仕留めた馬原投手 |
秋山ホークスが痛恨の黒星を喫した。8回表2点ビハインドの2死満塁のピンチに、今季28セーブを挙げている馬原孝浩投手を送り込む執念継投も実らず、日本ハム、楽天と歩調を合わせるように敗戦。打線も交流戦V布陣をそろえたが、序盤の失点がひびき、追いつけなかった。首位とは3・5ゲーム差で残り10試合。逆転Vが遠くなってきた。
敗戦の瞬間、無念の思いが、本拠地・福岡ヤフードームに充満した。その直後。秋山幸二監督が会見を締めくくった言葉に、本音が凝縮されていた。「この試合、取りたかったんだけどな」。
執念の継投も報われなかった。8回表。2点ビハインドとなり、なおも2死満塁の場面で、場内はどよめきと歓声が入り交じった。秋山監督が5番手投手に指名したのは、ここまで28セーブを挙げている馬原投手。背番号14は、今季47試合目で初めて負けている状況でマウンドへ。ホークス史上最多となる通算128Sで「守護神」と呼ばれた右腕を崖っぷちでつぎ込んだ。
馬原投手にとっても、意地の登板だった。前日21日もブルペンでは摂津正投手と同じタイミングで肩をつくるなど復調に向け、必死に取り組んできた。失点を許されない瀬戸際で、南選手をフォークボールで空振り三振。続く9回もパーフェクト投球。馬原投手自身「1点差で9回に上がるのとは、雰囲気が全然違う」と模索状態だが、4試合ぶりの無失点登板で終えてみせた。これには、秋山監督も「馬原は、いい仕事をしてくれた」と振り返った。
打線の追い上げも、届かなかった。この日の先発布陣は、打順こそ違うが、7月18日以来の9選手。交流戦V戦士揃い踏みで、逆転優勝へ勢いをつけたかったが、あと一歩だった。最終9回は2死満塁で、主砲松中信彦選手が「松中シフト」につかまってしまう三直。松中選手は視線を落とさず「1打席1打席精いっぱいやった結果ですから。残り試合も少なくなってきている。悔いの残らないようにやる」と前を向いた。