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休日も外野をランニングし黙々と汗を流す松中選手 |
松中信彦選手が、首位決戦を前に激白した。25日から首位日本ハムとの3連戦(ヤフードーム)に臨む。右ひざ半月板損傷の重傷でオフの手術が決定している主砲は24日、シーズン残り9試合での「完全燃焼」を宣言。3位以上でクライマックスシリーズ(CS)、そして日本シリーズへと可能性は広がっていくが、本人は残り9戦にすべてを懸けると決意。右ひざが壊れようと、奇跡の逆転Vだけを視野に入れる。
主砲が、6年ぶりVに懸ける熱い思いを口にした。全体練習がオフだったこの日、松中選手は正午前にヤフードーム入り。右ひざの痛みを少しでも和らげるため、ゆっくりとランニングを行い体を温めた。約3時間半の練習を終えると、口調が次第に熱を帯びた。
松中選手「この3つ(日本ハム3連戦)は1つでも負けたら優勝が厳しくなる。これまではどうしても(右ひざを)かばう部分があった。それを取り除いて、5できてたものを6、7にしないと迷惑がかかる。10に近いバッティングをしないと、走塁でも。チームが勝つためには悪化してでも…。手術はすると思う。(右ひざが)壊れたら、それがあるから。」
8月21日の日本ハム戦でスイングした際に右ひざを負傷し、半月板を痛めた。オフに手術を受けるほどの重傷だ。シーズン残り9試合でブレーキをかけずプレーすることで、最悪はCS、日本シリーズの欠場、今後の選手生命に影響を与える可能性も否定できない。それでも主砲を突き動かしているのは、リーグ優勝に対する熱い思いだ。23日には巨人がセ・リーグを3連覇。歓喜に沸く姿を目にし、さらにその思いは強くなった。
松中選手「僕たちもビールかけをしたい。裏方さんにもファンにも喜んでもらいたい。こんなチャンスはそうないので、モノにする強い気持ちを持って、がむしゃらにやらないと。休みでも(練習に)来て悔いのないようにしないと。ああしとけばよかったと思わないように。」
現在もスイング後はよろめき、まともに走れない。それでも9月1日オリックス戦での強行スタメン復帰後、19試合に出場し、打率3割2分8厘、3本塁打と数字を残す。極限状態でも、並外れた精神力でチームを鼓舞している。
18日からの西武3連戦で、左投手が先発した2試合を欠場した。左腕から外角へ投げ込まれると、踏み込む右足に強烈な負担がかかるからだ。首脳陣の苦渋の決断だった。すべてはこの9戦を見据えてのもの。今回の日本ハムの先発は藤井投手、八木投手、武田勝投手と3試合とも左腕の予定だ。25日、ソフトバンクが敗れて、楽天が西武に勝てば3位転落となる。「ここまできたら言ってる場合じゃない。頭の中には優勝しかない」。不退転の決意を胸に、松中選手が博多決戦へと出陣する。