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8回1/3を投げて2失点と好投し8勝目を挙げた先発の大隣投手 |
左腕が完全復活を果たし、チームをV戦線に踏みとどまらせた。大隣憲司投手が、日本ハム打線を9回途中5安打2失点に抑え、今季8勝目。中継ぎから先発復帰し、これで2連勝だ。キレのある直球を武器に、チーム最多勝(11勝)だった昨年の姿がよみがえった。首位日本ハムとのゲーム差は再び3.5。今季3勝1敗とハム料理が得意な左腕は、次回10月4日の対戦(札幌ドーム)、クライマックスシリーズ(CS)でもフル回転する。
期待の左腕が日本ハム打線を9回途中、5安打2失点に抑えた。目深にかぶったキャップの奥から相手を見下ろす、たくましい投球だった。昨年チーム最多11勝を挙げた大隣投手が、完全復活を告げた瞬間だった。
大隣投手「完投したかったけど勝ったんで。中継ぎの人が今までフル回転して、延長2試合してのデーゲームだった。しんどさがあるし、今まで中継ぎの人に迷惑をかけることが多かったし、今日こそはと思った」。
首位との大一番は2試合連続延長12回を戦い、1敗1分け。負ければ逆転Vは絶望的に、さらに3位転落の可能性もあった。前日26日は周囲に完投を宣言してひと足先に帰宅。この試合の意味を感じていた。「初回以外は波に乗れた」と6回まで内野安打1本のみ。緩い投球フォームで出所を遅らせた直球が手元で伸びた。「フォームを変えて自分で納得のいく球が増えてきた」。直球が走るから各球種で8三振を奪えた。
4四球は今季ワーストタイながら、7回の中田選手、8回の代打小谷野選手といずれも得点圏に走者を置いた場面で、この日最速の145km/hをマーク。今季初完投寸前の9回に2安打を許し、1死一、三塁で交代を告げられた。悔しさで顔を真っ赤にした。それでも今季最長8回1/3 、最多137球の熱投。これで先発復帰から今季初の2連勝、8勝目を挙げた。