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3回裏2死満塁、草野選手を中飛に打ち取り田上選手とグラブタッチする先発の和田投手 |
130日ぶりの白星は消えたが、CSへ差し込んだ光明が消えることはない。和田毅投手が完全復活を告げる力投を演じた。楽天4連戦(Kスタ宮城)の重要な初戦に先発し、6回8安打3失点。左ひじ炎症から復帰した9日ロッテ戦から2戦連続で3被弾KOされた左腕が、本来のキレを取り戻した。「まっすぐの感覚が良くなってきて、相手打者に対して自信を持って投げることができました」と納得の表情だ。
12球団の本拠地で唯一白星を挙げていない「鬼門」で、気迫の投球を見せた。初回。2死一塁でいきなり天敵との対戦を迎えた。4番山崎武選手。今季も1被弾するなど、07年以降6本塁打を献上している大砲を、内角への140km/h直球で三振に切ってとった。3回、第2打席での対戦では今季最速となる146km/hを計測。「そうなんですか」と、報道陣から初めて知らされるほど、目の前の1球だけに集中していた。
CSに間に合わせた。2ケタ勝利投手は杉内俊哉投手(15勝)とホールトン投手(11勝)の2人。「3人目の先発」として、経験豊富な和田投手への期待は大きい。連続3発KOの屈辱からはい上がってきた左腕の復調に、高山郁夫投手コーチも「球のキレ、マウンドを駆け降りる姿など本来の和田に戻ってきた」と喜んだ。
自分に厳しい和田投手らしく反省も忘れなかった。「次につながる投球ができたと思っていますが、先発としてはもっと投げないといけない」。左ひじ炎症で3ヶ月以上離脱し、チームに迷惑をかけた責任は痛感している。5月22日広島戦以来の白星はお預けになったが、和田投手がチームを6年ぶり日本一に導いてみせる。