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力強いキャッチボールをする馬原投手 |
馬原孝浩投手が「ぶっつけ本番」で仙台に乗り込む。14日にヤフードームで行われた練習でシート打撃に登板せず、このままブルペンにも入ることなく16日のクライマックスシリーズ(CS)第1ステージに臨むことになった。状態に自信があるからこそ、微調整は不要と判断。復調を果たした守護神が、楽天打線に立ちはだかる。
マウンドへ向かうリリーフ陣を横目に、馬原投手は静かにグラウンドをあとにした。この日は中継ぎ7人がシート打撃に登板したが、背番号14の姿はなかった。「状態がいいと感じているので、そのままでいきます」。もはや微調整は必要ない。リーグ最終戦の11日楽天戦から1度もブルペンに入ることなく、仙台へ乗り込むことを決めた。
自信があるからこその決断だった。4度の救援失敗を味わった交流戦後には、4日間試合が空いたのを利用して、リーグ戦再開2日前の6月24日にブルペンで70球の投げ込み。右腕が横振りになっていた投球フォームの修正に努めた。今回も4日間の試合間隔があったが「(状態が)一番いい時に戻ってきた」と、ブルペン投球なしで臨むことを選択した。
「そういう(2イニングを投げる)気持ちはあります。(今季リーグ戦の)最後の方では経験しているので」。馬原投手はチームが勝つためなら、2イニング登板も辞さない覚悟だ。必勝リレー「SBM」の一角を担ってきたファルケンボーグ投手が離脱しており、高山郁夫投手コーチはこの日、攝津正投手と馬原投手の両者が回をまたぐ可能性について「それはあります」と明言。昨季は右肩痛で出遅れたこともあって1イニング限定登板を強いられていたが、今季はすでに6試合で2イニングを投げており問題はない。連投についても「3つとも投げるつもりでいる」と3連投すら覚悟している。
楽天戦では今季9試合で9回2/3を投げて12安打8失点を喫するなど苦しめられた。だが、11日の最終戦ではすべてセットポジションで投球して1イニングを3者凡退に仕留め、確かな手応えを得た。「その日、一番いいものを感覚で見つけていく」。CSではノーワインドアップとセットポジションを日によって使い分ける“二刀流”で臨む構えだ。
「僕のポジションは精神的な部分が大きい」。馬原投手は常々、こう口にしてきた。チームは決戦に備えて15日、空路で仙台へと移動する。自信を取り戻した守護神の存在は頼もしいばかりだ。