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4回表1死一塁、左翼越え2点本塁打を放つ多村選手 |
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先発の巽投手 |
多村仁志選手が豪快な今季1号で、悔しさを吹き飛ばした。同点で迎えた4回表。1死一塁の場面で西武先発石井一投手の真ん中高め直球を、左翼席上段にぶち込んだ。「完ぺきでした。今季1号として、いい1本が打てた」と自画自賛の勝ち越し2ラン。満面の笑みでダイヤモンドを1周すると、秋山幸二監督とタッチを交わした。
悔しさと意地が生んだ1発だ。前日3月30日は、開幕7戦目にして今季初のスタメン落ち。「(前日の)悔しさとかはないです。出る試合で貢献するだけ」と語ったが、本音は違った。前日の試合後は自身のブログで「最大の目標にしていた全試合出場が、開幕して7試合目で早くも途切れてしまいました」と悔しさを、包み隠さずつづった。
それでもプロとして、前だけを向いた。全試合出場を目指し、オフにはメンタルトレーナーと契約。「常に前向きに」と即座に気持ちを切り替え、この試合に臨んだ。初先発の巽真悟投手を援護する豪快なアーチで、自身のモヤモヤも吹き飛ばした。メンタルの強さも武器にしたスラッガーが今季、全試合出場以上に価値ある活躍をしてみせる。