2010/04/04 (日)

小久保選手、試合を決める今季1号2ランを放つ

7回表1死二塁、左越えに2点本塁打を放つ小久保選手
7回表1死二塁、左越えに2点本塁打を放つ小久保選手
小久保裕紀選手が、岩隈KO弾だ。7回表の4打席目。楽天岩隈投手から試合を決める1号2ランを左翼スタンドに運んだ。開幕から通算45打席目、昨年9月6日以来の感触に「やっと、やっと、やっと出ました」とベテランも連呼。3安打4打点の活躍で、今季最多借金の危機が迫っていたチームを救ってみせた。

長かった分、感慨も深かった。今季初めて、ゆっくりとベースを1周した。7回表。1点を勝ち越し、1死二塁の場面だった。開幕から45打席目。オープン戦を入れると、84打席目。今季1号2ランだ。昨年9月6日西武戦(ヤフードーム)以来の感触。ベンチに腰を落とすと、岩隈投手をKOした一打に、何度も同じ言葉を繰り返した。

小久保選手「やっとこさ!やっと出ました!やっと出た!やっとです!やっと…。」

イメージ力がモノを言った。打ったのはカウント2-2からの変化球。岩隈投手の制球ミスで体の近くに飛び込んできた球だった。想定外であれば、ミスショットしてもおかしくなかった。打席内で最もケアしたのは「低めフォークに手を出さないこと」。右足を軸に重心を残すようにさばいた打球は、左翼席に飛び込んだ。瞬時に体が反応し、クルリと回転したのは、抜け球も頭の片隅に入れていた証しだった。

実は試合開始前のルーティンが昨年までと様変わりしている。これまでは自らの打撃を映像でチェックしていたが、それを今季から取りやめた。シートノックに向かう前、ストレッチや鏡を見ながらフォームチェックすると、1人目を閉じ、心を落ち着ける時間を持つ。自らの打撃フォームを脳裏に描いているのだ。プロ17年目を迎え、形やデータにとらわれ過ぎず、感性に主眼を置いた。

岩隈KOには、ひと振りだけではなかった。1打席目には左前タイムリー。3打席目は右中間へ適時二塁打。この日3安打で4打点。通算12打点はリーグトップに立った。何より速球系のボールを打ち砕いた、2本の適時打に大きな意味があった。

先発メンバーでは1人無安打に終わった1日の西武戦(西武ドーム)。ベンチで何度も首を振る姿があった。「狙った直球が打てんやったからな。直球が打てないようになったら、引退せなあかんわ」。ベテランに最初にやってくると言われる動体視力の衰え。速球系のボールを打てない自分に辛口なコメントで自らにムチを入れていた。この日のタイムリーは、シュートと直球をはじき返したものだった。

チームを救った。負ければ、今季最多の借金3の危機を回避。前夜エース杉内俊哉投手で敗れたショックも一掃。「1本出ると、だいぶ違う」。上位浮上へ、主将の爆発が欠かせない。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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