大隣憲司投手が苦手楽天打線を6回0/3、5安打2失点(自責1)に抑え、今季3度目の先発で初勝利をマークした。相手は右打者8人(両打ち含む)をスタメンに並べたが、昨季3本塁打を献上した主砲山崎選手を3打数無安打に封じるなど、落ち着いて料理。対戦成績4連敗中だった苦手チームから、08年7月19日以来の白星を挙げた。
しかめっ面がほどけ、顔いっぱいに笑みが広がった。リリーフ陣にも救われて今季初勝利が決まると、大隣投手はチームメートに丸刈り頭をたたかれ祝福を受けた。6回0/3を5安打2失点。「内容よりも勝てたことがうれしい」。7回に失点絡みで2点目を失って救援をあおいだが、今季3度目の先発で待望の白星を手に入れた。
苦手克服に成功した。楽天には08年7月19日に中継ぎで勝利を挙げて以降4連敗中だった。この日は右打者8人(両打ちのリンデン選手含む)をスタメンに並べてきた相手を「クロスファイア」で攻略した。左腕から右打者の内角を突く直球だ。「インコースにキッチリ投げられた」。死球を恐れず投げ込んで打者に内角を意識させ、外角の球へ踏み込みづらくする。昨季2割6分4厘だった対右打者の被打率は、今季これで2割2分6厘。相手の作戦をたたきつぶした。
天敵も封じた。「山崎さんを抑えたのがよかった」。昨季は7打数5安打3本塁打とかもにされた主砲を3打数無安打と沈黙させた。第1打席は初回2死二塁、第2打席は3回2死一、二塁のピンチで迎えたが、いずれも内角直球を見せ球に、外角球で仕留めた。
朗報は天国にも届いたに違いない。今年2月に近大で1年後輩だったオリックス小瀬さんが転落死。1月に母校で自主トレをともにした際に「対戦できるようにお互い頑張ろう」と誓い合った直後だっただけに「ショックを通り越している」と動揺は大きかった。「小瀬の分までという気持ちはある」と、2年ぶりの2ケタ勝利を誓ったシーズン。3試合を要したものの、数多い近大OBで最も早く白星を挙げた。今季防御率1点台の頼れる左腕は、苦手も苦難も乗り越えて白星を積み重ねていく。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本)
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