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2回表2死二塁、荻野貴選手に四球を与えマウンド上で汗をぬぐう巽投手 |
秋山ホークスが早くも先発ローテーション再編を余儀なくされた。巽真悟投手が2回3失点で2試合連続のKO。前回に続いて四球で自滅した。今季初の完封負けで連勝が3で止まったチームは、先発陣の立て直しに着手。試合後に巽投手を中継ぎへ配置転換させることを決め、この日2番手で5回2失点と好投した神内靖投手を次週14日オリックス戦(京セラドーム大阪)の先発に指名した。
完敗に終わった試合後、秋山幸二監督が先発ローテ再編の決断を下した。2回KOの巽投手を呼び出して今日8日以降の中継ぎ待機を通告。次週14日オリックス戦の先発には神内投手の起用を決めた。帰り際に「神内?次は先発するよ」と明言。敗戦から気持ちを切り替え、下を向くことなく家路に就いた。
巽投手に代わって神内投手。この日の試合と同じ起用になった。0-3とリードされて2回が終わると、指揮官の我慢は早くも限界に達した。首をかしげながらベンチを出て、4四球で3点を失った2年目右腕の降板を告げた。「自分の投球をする前に、四球、四球じゃどうしようもない。もっと思い切ってやらないとな」。ため息をつくしかなかった。
またも期待を裏切られた。プロ初先発の3月31日西武戦で6四球を与え4回途中6失点KOの内容ながら、巻き返しを見込み与えた先発チャンス。だが、巽投手は同じ失敗を繰り返した。「慎重にいきすぎた」という前回の反省を生かせない。打者12人に対して初球ボールが7度。初回に押し出し四球で1点を献上すると、2回にも四球絡みでピンチを招き、井口選手に2点二塁打を許した。若手らしい思い切りの良さは最後まで影を潜めた。
数少ない収穫の1つが2番手神内投手の好投だった。3回から登板すると、思い切りよく球を投げ込んだ。最速144km/hの直球に100km/h台のカーブを織り交ぜてロッテ打線の勢いを止めた。7回に2点を失ったものの、5イニングを投げ抜いて先発テストに合格。昨年8月26日ロッテ戦以来の先発機会を手にした9年目左腕は「今回は(中継ぎなので)自身のある球(直球)を優先させた。先発するならもっとカーブを混ぜたい」と1週間後を見据えた。先発陣の入れ替えは今季初めて。指揮官の思い切った一手で、戦局の打開をはかる。