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6回途中にリリーフした攝津投手 |
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好投を見せたファルケンボーグ投手 |
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力投を見せる馬原投手 |
ホークスの誇る必勝リレー「SBM」が踏ん張り、接戦をものにした。1点差に迫られた6回1死から攝津正投手を投入。6回途中という早い回から、ファルケンボーグ投手と馬原孝浩投手の3人でしのぎきったのは、今季初めての執念継投だった。秋山幸二監督の意地が実ってチームは連敗を2でストップ、貯金1で3位へ浮上した。
三塁側ベンチ奥の通路で、右の肩とひじにアイシングを施された攝津投手がひっそりとハイタッチの列に加わった。昨年7月22日楽天戦に並び過去最速タイとなる6回1死からの「SBM」投入で総力戦を制し、チームは3位に浮上。マウンドではポーカーフェースの背番号50も端正なマスクを崩し、喜びに浸った。
信頼の「S」が指揮官の執念に応えた。7-6と1点差に迫られた6回1死一塁でマウンドへ。「(6回途中からの登板も)あると思っていた」。大引選手に内野安打を許して一、二塁となったが、坂口選手を内角142km/h直球で併殺打に封じた。
絶好調のカブレラ選手も怖くはなかった。続く7回の1死後に四球を出して打席に迎えたが「ゲッツーをとればいいと思った」。まゆ1つ動かさず、カウント1-1から内角へシンカーを投げ込んだ。打球はセカンド正面を突き、狙い通りの併殺打。大きく息を吐き、ファルケンボーグ投手へバトンを渡した。
これで今季19試合中11試合に登板。わが身を“犠牲”にしてチームに貢献してきた。今年に入り、日常生活で眼鏡が必要になった。「コンタクトに目が慣れてしまって…」。プロ入り前の視力は左右とも裸眼で1.2。だが、昨季のオープン戦でサインを見間違えたことがきっかけで、登板時だけコンタクトレンズを入れるようにした。昨季はリーグ最多の70試合に登板。さらに女性ファンを増やしそうな?眼鏡姿は、ゲームへの準備を怠らない、完ぺき主義の副産物でもあった。
「B」と「M」も鉄壁だった。ファルケンボーグ投手、馬原投手はともに150km/h超の直球でねじ伏せて8、9回にゼロを並べた。今季5セーブ目を挙げた守護神は「ウチには(継投の)形がある。前の2人がしっかり仕事をしてくれたので、相手の勢いが死んでいた。僕も(試合に)入りやすかった」と振り返った。
必死のタクトで乱戦を制した秋山監督も白い歯を見せた。「今日は打線と中継ぎがよく頑張ってくれた。(点を)取って取られてだったけどね。攝津も頑張ったね」と労をねぎらった。連敗を2で止め、借金転落も阻止した。盤石の救援陣がいる限り、まだまだ上を目指せるはずだ。