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3回表2死、1号本塁打を放ち、川崎選手(左)の祝福を受ける田上選手 |
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3回表2死一塁、二塁内野安打を放つ本多選手 |
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3回表2死一、二塁、中前適時打を放つオーティズ選手 |
悩める男に待望の1発が飛び出した。田上秀則選手が、今季1号を放った。4点を追いかける3回表に、オリックス山本投手からバックスクリーンへ追撃のソロ。昨季チームトップの26発を放った「恐怖の9番打者」が、今季34打席目でようやく目覚めた。
「10年型打線」のしんがりを担う男のお目覚めが、打線を強力な「線」にした。「何とか反撃のきっかけをつくりたいと思っていた」。極度の不振にあえぎ、この試合前まで打率0割6分7厘。苦しんでいた男の1発で、打線は活気づいた。直後に川崎宗則選手、本多雄一選手が連打でつなぐと、オーティズ選手、小久保裕紀選手が連続適時打。2死から一気呵成(かせい)の5連打4得点で同点に追いついてみせた。
7回にも4連打で2点差を同点にした打線は、今季20試合目で初の先発全員安打。不調だった2番本多選手の今季初2試合連続マルチ安打と、昨季チーム本塁打王の1発がそれを可能にした。つながった打線は、取られても取られても驚異的な粘りで点を取り返した。「今日の打線はよかった」と大石大二郎ヘッドコーチ。敗れはしたものの、完成に近づいてきた「10年型打線」は必ず相手チームの脅威になるはずだ。