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3勝目を挙げた和田投手(中央)は、好リリーフの馬原投手(左)を出迎える |
和田毅投手が「投壊」を食い止めた。8回3安打1失点で3連勝の3勝目。3月26日の本拠地開幕戦で投げ負けたオリックス近藤にも雪辱を果たした。「引き締まったいい試合ができた」。ヒーローインタビューを受けた試合後、ホークスファンの陣取る左翼席へと右手を挙げる姿が頼もしかった。
勝負の分かれ目は4回だった。後藤選手の適時二塁打で1-1の同点に追いつかれ、さらに四球と死球で1死満塁のピンチ。ここで踏ん張った。ともに低めの変化球でT-岡田選手と一輝選手にゴロを打たせて切り抜けた。「4回を1点で抑えたのが1番良かった」。前日14日まで4試合連続で先発投手が4点以上を失っていた嫌な流れを食い止めた。
“魔法”が解けても耐え抜いた。登板3日前、12日のブルペン。いつもより20~30球少ない約50球で投球練習を切り上げた。「前回のように感じが良かったから」。前回8日のロッテ戦では自己最多15奪三振で1失点完投。「不思議な感覚。プロでは、これまでにない」という絶妙な感触をつかんでいた。この感覚をキープしたくてブルペンの球数を抑えた。だが、この日は「制球や調子は良くなかった」。奪三振は5にとどまっても辛抱強く低めに球を集め、我慢の末に白星をつかんだ。
秋山幸二監督からも「今日は和田に尽きるよな」と絶賛された。08年4~5月の5連勝以来となる2年ぶりの3連勝。今日16日に先発する杉内投手に負けじと、背番号21の存在感は増すばかりだ。