2010/04/25 (日)

多村選手、成瀬投手の連勝記録を10でストップ

5回表無死、多村選手(左)は左中間越えにソロ本塁打を放ちベンチのナインの祝福を受ける
5回表無死、多村選手(左)は左中間越えにソロ本塁打を放ちベンチのナインの祝福を受ける
5回表無死、多村選手は左中間越えにソロ本塁打を放つ
5回表無死、多村選手は左中間越えにソロ本塁打を放つ
多村仁志選手が、ロッテ成瀬投手の千葉マリン連勝記録を10でストップさせた。1点ビハインドの5回表に同点の4号ソロ。多村選手の1発を手始めに打線は5回に4得点と、試合の流れを変える豪快弾。10試合連続安打もマークした背番号6のバットが、秋山ホークスを上昇気流に乗せる。

たったひと振りで流れを変えた。5回表の2打席目。1点を追う場面で、多村選手は考えた。「先頭打者だったので塁に出ることだけ」。1打席目に空振り三振した低めチェンジアップに、軽くバットを合わせた。全力で一塁へと走り始めるが、本人の手応え以上に打球は伸びていく。「入るとは思わなかった」。左中間スタンドへ同点4号ソロだ。走るスピードをほとんど落とすことなく、ベースを1周した。

ロッテ成瀬投手攻略の号砲となった。マウンド上の左腕は千葉マリン10連勝中。今季初顔合わせのサウスポーのウイニングショットを仕留めた。多村選手の一撃の直後に成瀬投手は制球を乱し、この回4失点。脅威のパワーが与えたダメージは大きかった。

昨年との違いがある。体の各所に痛みを訴えた昨シーズンは、筋力トレーニングができなかった。だが、今季は継続して実行。右肩にボルトが埋まったままのため、昨年まで2年間控えていた盗塁もすでに2個決めている。秋山幸二監督は「今年の多村は元気。足が動いている」と評す。その言葉を裏付けるかのように、7回裏の守備では代打福浦選手の右中間最深部への打球に追いつき好捕。バットだけでなく、守りでも存在感を示してみせた。

精神的な違いも大きい。メンタルトレーナーと契約している今季、ヒットが出なくても、チームに貢献できれば満足感を得る境地に達した。20日の西武戦では死球を当てられ、ガッツポーズした。この日は1発を含め2安打で10試合連続安打。打率2割8分ながら、安定した成績を残している陰には、過去15年間のプロ生活よりひときわ高い集中力がある。

「今日は(小椋)真介が粘っていましたから」。成瀬撃ちの立役者は、そう言って、自らの1発より、先発左腕の勝利を喜んだ。フォア・ザ・チーム。多村選手がその言葉を心に刻み、バットで投手陣を強力援護し続ける。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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